今回は、以前からたくさんのリクエストをいただいていた、だしの取り方&だしがらの活用法をご紹介します。
黄金色の出汁(だし)。
これさえあれば、何でも美味しくいただけて、そして便利に調理に出来る、まるで魔法の水です。
すぐに美味しいお吸い物、具材にたっぷりと注いで素材の旨味を活かした煮物、速攻でおひたし、じゅわっと出汁巻き、鍋料理のスープ……。
粉末だしも愛用している私ですが、基本は、天然のだしを取っています。
忙しさにかまけて敬遠していたり、袋入りだしパックを使っている時期もありましたが、「やっぱり、これやわ」と、天然のだしに戻るんです。
天然のだしを取るのは、すごく手間に感じる方もいらっしゃるかもしれません。それは、基本のだし、一番だしの取り方「だけ」を学ばれたからではないでしょうか。
今回は、基本的なだしの取り方、手軽なだしの取り方と、ほったらかしの水だしの方法、そして、だしがらの利用方法をご紹介します。
昆布
10g
かつお節
20g
水
1000ml(1リットル)
手順
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【1】基本のだしでは、かつお節と昆布を使います。
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【2】だしに使う昆布は、入手しやすく上品に仕上がる、真昆布を使っています。
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【3】かつお節は、花かつおを使います。薄削りともいい、薄く削ったかつお節です。
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【4】水は、ベストは、きちんと浄水器を通した、カルキ臭を取り去った水が一番やと思います。
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【5】昆布を引き上げたら、いったん沸騰させます。こうすることで、昆布の乾物独特の匂いを取ります。
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【6】すぐにかつお節を一気に加え、弱火にします。
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【7】かつお節の加熱時間は、料理によって使い分けると良いです。
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【8】少し温度が下がると、かつお節が沈みますので、ざるの上に、ネル布巾、もしくは、キッチンペーパー(できれば不織布のリード)か、ガーゼ布巾を乗せて、静かにこします。
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【9】出来上がりです。これが、「一番だし」です。
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【10】出来上がっただし汁は、その日のうちに調理に使い切るのがベストです。もし余れば、きれいに洗ってよく消毒したお茶ポットなどに移して冷蔵庫に保存し、2~3日のうちに使い切るようにしましょう。
投稿者からのコメント
この記事を書くのに、ものすごく時間がかかりました。
でも、だしのレシピは、どうしても書きたくて、どうしてもお伝えしたかったんです。
理由をご説明します。
だしの取り方から話が飛ぶんですが、
例えば、「運動してリフレッシュ」「アロマテラピーで心身ともにやすらぎを」「泣ける映画で心のデトックス」「毎朝毎晩n分ずつの瞑想で心身のデフラグ」
昔からある自己啓発書、雑誌、広告やメディアなんかで、嫌でもよく目にする内容です。
とてもいいことなんです。
でもこういったこと、子育て中に出来ますか?
介護中にありえますか?
もしくは、一人暮らし、二人暮らしやけど、そんなお金も時間も余裕がないくらい、働きづめないとならない、考えないといけない状況がある場合、そもそもそんなことに視野がいきますか?
時代がもっと昔というのもありましたが、私自身が子育てや介護や金策などに必死やった頃、リフレッシュとかやすらぎとかデトックスとか瞑想とか、私からすると、それこそ異次元、小説や漫画の中の話でした。
で
そんな中で私は、忙しいときほど、だし汁をしっかりと取っていたんです。慣れても一番だしは30分はかかりました。さすがに泊まり込みのような時にはムリでしたが、でもそれでも、だし汁を取っていたんです。
なんでそんなことをしたか。
人間、美味しいものを食べると、幸せになるからです。
ちゃんと引いた、たっぷりのだし汁で、たった1品でもいいんで、いただく。
それこそ、引き立てのだし汁を少し分けて、ほんの少しの塩と酒としょうゆを垂らし、わかめとねぎを浮かせるだけでえぇんです。ある意味台無しですけど。でもある意味王道というか。
それを口に含んで、味わって、飲み込む。
すると、ほどなく喉の奥が痛くなって、気が付いたら涙がだーだー流れてるんですよ。
台所で味見してるだけやのに、不思議ですよね。夜中にだーだー涙が止まらないんですよ。やってることは、だしの味見なんですけどね。
疲れているほど、この、だしの味が、効くというか、刺さるといいますか。
これを知ってから、忙しい時ほど、疲れている時ほど、必ずだしを取るようになりました。夜中もしくは早朝にひとりものすごく集中して、だしを取ってるんですよ。なんか、こわいですよね。
「家族のために美味しい食事を作りたくて、だしを取った」とか、そんなキレイな話やなくてごめんなさい。
自分自身のためなんです。
でも、自分自身が幸せやと、健康やと、家族が、友人たちが、そして仕事で関係する方たちが、みんな幸せになっていく、それは事実かもしれません。
実際、心身ともにいつも健康で、はつらつとしている方と一緒やと、なんか、自分まで元気になるような気がする……、ご縁があって、そんな方たちとご一緒したことがあったからかもしれません。そういう方々みたいに、自分が、他の人たちにも元気を与えるような人になりたいなぁ……、明日、私と会う人たちが、みんな元気になるとえぇなぁ……。
そう思うて、だしを取って、そしていただいています。
えらい壮大というか、オーバーな話に思えるかもしれません。
でも、口にするものが、明日の自分を作るんです。
だし汁、大切です。
少しでも多くの方に、だし汁の美味しさ、手軽さ、そして、心身がとても喜ぶ味ということを伝えたくて、書きました。
ただ、決して間違えていただきたくないのは、だし汁をひくのは、「手段」だということです。決して、これを目的には、しないでください。
「丁寧にだし汁を取らないといけない! だしの素を使うなんてとんでもない!」それは、単なる呪いです。
ご自身や、ましてやご家族に、「丁寧にだしをとらなければならない」、そんな呪いをかけることだけは、お願いですから、本当に、本当にやめてください。それは間違った考えです。
忙しい毎日、顆粒だしの素を使う日があったって、別にえぇやないですか。あれは調味料としても優秀アイテムなんで、ぜひ常備しておきましょう。
だし汁、ぜひ、色々と活用していただければ幸いです。
※みやすさのために書式を一部改変しています。