やさしい甘みとフルーティな香りが魅力の「いちじく」。そのままいただくのはもちろん、ジャムやコンポートにしてもおいしいですよね。いちじくには、フィシンや植物性エストロゲンなど、ほかの果物にはあまりない栄養素が含まれているんです。今回は、いちじくに含まれる栄養素や正しい食べ方、新鮮ないちじくの選び方についてご紹介します。
いちじくの栄養素とは?種類や新鮮ないちじくの選び方についても解説!
- 目次
- 主要な栄養価はこちら
- 注目の栄養素をご紹介!
- ペクチン(食物繊維)
- カリウム
- アントシアニン
- フィシン
- 植物性エストロゲン
- いちじくは花を咲かせない?
主要な栄養価はこちら
いちじく100gに含まれる主な栄養価は以下の通りです。
栄養素 | 数値 | |
---|---|---|
エネルギー | 57kcal | |
たんぱく質 | 0.6g | |
脂質 | 0.1g | |
炭水化物 | 14.3g | |
食物繊維 | 1.9g | |
カリウム | 170mg | |
鉄 | 0.3mg | |
ビタミンB1 | 0.03mg | |
ビタミンB2 | 0.03mg | |
ビタミンB6 | 0.07mg |
注目の栄養素をご紹介!
いちじくの主要な栄養価がわかったところで、そのほかに注目すべき栄養素をチェックしてみましょう。アントシアニンやフィシン、植物性エストロゲンなどです。
ペクチン(食物繊維)
ペクチンとは野菜や果物に含まれる水溶性食物繊維のこと。食物繊維は便通を整えるために欠かせない成分で、余分な脂質や糖、ナトリウムを体外に排出する働きがあります。
カリウム
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。筋肉の収縮や神経の働きにも密接にかかわる重要なミネラルのひとつです。
アントシアニン
いちじくの果皮や果肉の赤い部分には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。アントシアニンは植物に含まれる色素で、活性酸素の発生を抑えたり、取り除く働きがあると言われています。
フィシン
いちじくの皮を剥いたときに出てくる乳白色の液体は、フィシンというたんぱく質分解酵素です。この成分は、肉や魚のたんぱく質を分解して肉質をやわらかくしたり、消化を促進させると言われています。
植物性エストロゲン
いちじくには、植物性エストロゲンが含まれています。エストロゲンは女性ホルモンとも称されますが、それに似た働きを持つと言われている成分です。
いちじくは花を咲かせない?
いちじくは「無花果」とも呼ばれ、花を咲かせずに実をつける果物として有名です。しかし、実際に花を咲かせないわけではなく、普段食用にしている部分はいちじくの実ではなく花の部分なんです。
いちじくの花は咽頭花序(いんとうかじょ)と呼ばれ、実を割ったときに見える小さな粒々なんです。ひとつの実のなかに、なんと2000個もの花を咲かせるそうです。
いちじくは大きく分けて3種類
いちじくには100種類を超える品種があり、そのほとんどが西日本で栽培されています。現在国内で栽培されているいちじくは、大きく分けて3種類です。
いちじく(桝井ドーフィン)
国内で流通しているいちじくの8割は「桝井ドーフィン」という品種です。果皮が茶色で固く、輸送に適しているのが特徴です。
※『桝井ド-フィン』は「有限会社キ―・エンタ―プライズ」の登録商標又は商標です。
白いちじく
果皮が黄緑色に色付く白いちじく。酸味がほとんどなく、ねっとりと濃厚な甘味が特徴です。代表的な品種は「バナーネ」や「キング」です。
黒いちじく
果皮が濃紫色で甘味が強く、やや小ぶりな黒いちじく。生産量は少ないながらも、「ビオレソリエス」という品種が佐渡島で栽培されています。
いちじくを調理する際のポイント
いちじくに含まれる栄養素を無駄なく摂取するために、気をつけるべきポイントは以下の3つです。
加熱せずに生でいただく
いちじくに含まれるたんぱく質消化酵素フィシンは熱に弱く、加熱することでその効果が失われてしまいます。
加熱する場合は皮ごと
いちじくの果皮や果肉の赤い部分には、アントシアニンが含まれています。加熱調理する場合は、皮ごとやわらかく煮ることで、その栄養素を無駄なく摂取することができます。
煮汁にも栄養素がたっぷり
いちじくに含まれるペクチンやカリウムは、水に溶けやすい性質があります。いちじくのコンポートや甘露煮は煮汁にもその栄養素が含まれているので、余すことなくいただきましょう。
新鮮でおいしいいちじくの選び方
いちじくは果肉がやわらかいので、傷みやすく鮮度も落ちやすいです。新鮮でおいしいいちじくを見分けるポイントは以下の3つです。
皮にハリがある
皮にハリがあってシワがなく、切り口が新しくて乾燥していないものは、鮮度がよい証拠です。
ぽってりと丸みがある
下ぶくれで丸みがある形をしており、切り口のつけ根部分まで均一に紫色に色づいているものは、おいしい可能性が高いです。
底の部分に少し裂け目ができている
いちじくは完熟すると、底の部分に裂け目ができます。中の花が少し見えはじめたころが食べごろの合図。逆に、大きく裂けているものは熟しすぎているので避けましょう。
いちじくのおいしさを存分に楽しもう
今回は、いちじくに含まれる栄養素や正しい食べ方、新鮮ないちじくの選び方についてご紹介しました。
冷凍したものやコンポート、ジャムなどの加工品などは通年販売されていますが、フレッシュないちじくの旬は6月から10月の間と短めです。ぜひ旬の季節には新鮮でおいしいいちじくを手にとって、そのおいしさと栄養を余すことなくお楽しみくださいね。
クラシルでは、いちじくの保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。