お刺身、照り焼き、塩焼き、ぶり大根など、「ぶり」は和食の定番ですが、アクアパッツァや香味焼きといった洋風メニューにもよく合い、さまざまな料理にアレンジしやすい魚なんです。
おいしいぶりの選び方!旬の時期や栄養素も詳しく解説
そんなぶりには、魚に多く含まれていることで有名な「DHA」や「EPA」はもちろん、ビタミンD、ビタミンB群なども含まれています。
今回は、ぶりの旬や栄養素、おいしいぶりの選び方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 目次
- 寒い時期が旬の「ぶり」
- ぶりは縁起がいい「出世魚」
- 主要な栄養素はこちら
- 「DHA」と「EPA」に注目
- 新鮮な「ぶり」の選び方
- 栄養素満点で幅広いアレンジが可能
寒い時期が旬の「ぶり」
ぶりの旬は、12~2月の寒さが厳しい時期です。春の産卵期に備えてエサをたくさん食べるため、脂がのっておいしくなるんです。この時期に日本海沿岸で水揚げされた親ぶりのことを「寒ぶり」といい、高品質なため水揚げされた地域ごとに、「氷見ぶり」や「佐渡一番寒ぶり」といったブランド名があります。
ぶりは西日本を中心に養殖が盛んなので、1年中食べることができますが、旬に水揚げされる天然物は脂のりが養殖物とは格段に違います。
産卵を終えた4月頃になると身が痩せて、味が落ちてしまいますが、卵は珍味として扱われています。
ぶりは縁起がいい「出世魚」
ぶりは成長にともなって呼び名が変わるため「出世魚」と呼ばれ、縁起のいい魚とされています。呼び名は地方によって違い、関東では「わかし」→「いなだ」→「わらさ」→「ぶり」。関西では「つばす」→「はまち」→「めじろ」→「ぶり」と呼ばれています。また、関東では養殖物を「はまち」と呼ぶことがあります。
主要な栄養素はこちら
ぶりはおいしいだけでなく豊富な栄養素を含んでいます。ぶり(生)100gに含まれる主要な栄養素は以下の通りです。
‐ エネルギー 222kcal
‐ たんぱく質 21.4g
‐ 脂質 17.6g
‐ 炭水化物 0.3g
‐ カルシウム 5mg
‐ リン 130mg
‐ ビタミンD 8.0μg
‐ ビタミンB12 3.8μg
「DHA」と「EPA」に注目
ぶりはたんぱく質やビタミンB群を多く含む栄養素満点の魚です。そんな栄養素満点のぶりですが、中でも特に注目したいのが、以下の3項目です。
●DHA・EPA
ぶりの脂肪に含まれる不飽和脂肪酸の一種、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、主に青魚の脂に多く含まれており、体内ではほとんど合成できないため食物から摂る必要があります。
DHAは脳を活性化させるのに役立つといわれています。EPAは血液の流れをよくする働きがあるので、血管や血液の健康維持や、血流が悪くなることで起こる病気の予防にも効果があるといわれています。
●ビタミンD
カルシウムとリンの吸収を助けるとともに、丈夫な骨や歯を形成したり筋力を高める働きがあります。ビタミンDを含むほかの食品には、魚介類やきのこ類などがあります。
ぶりには骨や歯を形成するカルシウムやリンも含まれていますが、ビタミンDがなければ十分に吸収されないので、カルシウム、リン、ビタミンDが含まれているぶりは栄養摂取におすすめなんです。
●ビタミンB12
赤血球の生成を助ける、神経を正常に保つ、成長促進作用、貧血予防といった働きがあります。欠乏症になると悪性貧血を起こすことがあります。
新鮮な「ぶり」の選び方
ぶりを購入される際は、切り身で買うことが多いと思います。その際、チェックするポイントは以下の4つです。
①血合いの色が鮮やかで赤いものほど新鮮
血合いの色が黒ずんでくると味が落ちている証拠。劣化が早くなるので注意が必要です。
②皮につややかな光沢があり、身にハリやツヤがある
新鮮なものは身にツヤや透明感があり、ふっくらと盛り上がっていますが、鮮度が落ちると白く濁ってきます。皮や身にツヤがあるものを選ぶようにしましょう。
③ドリップが出ていないものを選ぶ
ドリップが出ているものは、うま味成分も一緒に流出しているため味が落ちるだけでなく、栄養素までも低下します。また、食品内の水分量が落ちるため、パサついた食感になります。
④皮の色で脂ののりを見分ける
ぶりは三枚におろしたあと、半身を腹側と背中側に切り分けてからさばくので、切り身によって皮の色が違ってきます。皮が青っぽく濃い色をしたものは背の部分で、脂身が少ないため身がしまってさっぱりとしています。一方腹側は皮が白っぽい色をしており、脂がのっているためとろっとした食感が楽しめます。味の好みや調理法によって使い分けてみるのもおすすめです。
栄養素満点で幅広いアレンジが可能
ぶりの旬と栄養素、おいしいぶりの選び方をご紹介しました。さまざまな調理法で楽しむことができるぶりは、おいしいだけでなく、栄養素も豊富に含まれているのが魅力です。手軽に手に入る魚なので、日々の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。
そんなぶりの「保存方法」については、別の記事で解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。