「いかなごのくぎ煮」をご存じでしょうか?兵庫県が発祥といわれる郷土料理で、現在も瀬戸内の春の風物詩として地域の人々に親しまれています。いかなごという小さな魚を醤油と砂糖、生姜で甘辛く煮た佃煮で、ごはんのお供やおつまみにぴったり。この記事では、由来や特徴、作り方をご紹介しますので、ぜひ読んでみてくださいね。
いかなごのくぎ煮とは?くぎ煮の由来や特徴もご紹介!
- 目次
- いかなごってどんな魚?
- いかなごの旬はいつ?
- いかなごのくぎ煮とは?
- いかなごのくぎ煮のおいしい食べ方
- 日本の郷土料理、いかなごのくぎ煮を味わってみよう
いかなごってどんな魚?
いかなごは、スズキ目イカナゴ科の小魚で、沖縄以外の日本各地の沿岸で水揚げされています。地域によって呼び名が異なり、関東では「コウナゴ(小女子)」と呼ぶのが一般的です。 また、3~4cmの特に小さなものは「シンコ(新子)」と呼ばれることもあります。大きく成長するとカマスゴ(梭子魚子)やメロウド(女郎人)などと呼ばれますが、稚魚のうちに食べられることが多い魚です。
いかなごの旬はいつ?
いかなごは瀬戸内海に春を告げる魚として知られ、2月下旬から3月初旬に解禁されるイカナゴ漁は春の風物詩となっています。稚魚の「シンコ」が出回るのは3~4月にかけてです。近年は漁獲量が減少していて、それに伴い価格も高騰しているようです。
いかなごのくぎ煮とは?
いかなごのくぎ煮とは、生のいかなごの稚魚をしょうゆ、砂糖、生姜などを加えた煮汁で甘辛く煮た佃煮のことです。瀬戸内海沿岸地域で古くから作られている郷土料理で、兵庫県神戸市が発祥の地とされています。元々は漁業関係者の家庭で親しまれていた料理でしたが、明石の漁業組合の女性たちが普及に努めたことで、一般家庭にも広まったようです。
「くぎ煮」という名前は、いかなごの煮あがった姿が、錆びたくぎのように見えたことが由来とされています。
漁が解禁されると、鮮魚店では多くの人がいかなごを求めて列を作るそう。買い求めたいかなごは、新鮮なうちにすぐにくぎ煮に加工します。家庭で作られるほか、土産物店やスーパーの店頭にもできたてのくぎ煮が並びます。
いかなごのくぎ煮のおいしい食べ方
甘辛い味つけで旨味たっぷりのいかなごのくぎ煮は、さまざまな食べ方で楽しむことができますよ。
■ごはんのお供に
しょうゆとみりんの甘辛い味つけは、ごはんのお供にぴったり!炊き立てのごはんにのせて食べると、それだけでごちそうになりますよ。出汁をかけてお茶漬けにするのもおすすめです。
■混ぜごはんやおにぎりに
ごはんに混ぜ込んで、混ぜごはんやおにぎりにするのもよいですね。ごまや大葉、ねぎなどを一緒に混ぜると、さらに風味豊かに仕上がります。
■おつまみに
濃い目に味つけされたいかなごのくぎ煮は、お酒にもよく合います。そのまま食べるのはもちろん、クリームチーズと和えたり、出汁巻き卵に混ぜてもおいしいですよ。
■パスタやチャーハンに
旨味たっぷりのいかなごのくぎ煮は、パスタやチャーハンに調味料のような感覚で使うのもおすすめです。
■チーズトーストに
ごはんだけでなく、パンにも意外とよく合いますよ。甘辛い味わいがチーズと好相性です。
日本の郷土料理、いかなごのくぎ煮を味わってみよう
日本の郷土料理のひとつであるいかなごのくぎ煮は、瀬戸内の春の風物詩として、今も地域の人々に愛されています。もし店頭でいかなごを見かけたら、旬の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。