透明度が高く、なめらかな食感に仕上げることができる「板ゼラチン」。ゼラチンには他に「粉ゼラチン」がありますが、使い方や成分に違いはあるのでしょうか。
「板ゼラチン」の特徴と使い方を解説!お菓子作りの幅が広がる
この記事では「板ゼラチン」にスポットを当てて、特徴や使い方などを解説します。特徴を知ることで、お菓子作りの幅が広がりますよ。ぜひ活用してみてくださいね!
- 目次
- 板ゼラチンとは
- 粉ゼラチンとの違いは?
- 成分
- 計量の方法
- 使用方法
- 板ゼラチン
- 粉ゼラチン
- 板ゼラチンと粉ゼラチンは代用できる?
板ゼラチンとは
豚や牛の皮や骨に含まれるコラーゲンというたんぱく質が薄い板状になったものです。コラーゲンはそのままの状態では水には溶けません。しかし、加熱するとこの構造が分解されて性質が変化し、水に溶けやすくなります。このように温めると溶けて、冷やすと固まるのがゼラチンの特徴です。この性質を利用し、ゼラチンは食品だけでなく、医薬品、写真、工業といった分野でも活用されています。
板ゼラチンも粉ゼラチンも主成分は同じですが、製造過程で薄い板状に固めたものが板ゼラチンで「ゼラチンリーフ」と呼ばれることもあります。一枚のゼラチンの重量が一定で、枚数で正確な計量ができるため、一度に多くの量を使用するプロ用・業務用としての需要が多いのが特徴です。
粉ゼラチンとの違いは?
粉ゼラチンと板ゼラチンの違いを解説します。成分や計量方法の違いを理解して、用途に合わせて使い分けてみてくださいね。
成分
板ゼラチンも粉ゼラチンも成分は同じです。全体の86%が動物性たんぱく質のコラーゲンで、それ以外は水分と灰分です。
計量の方法
板ゼラチンは一枚当りの重量が一定なので、枚数で正確な計量ができます。重量は各メーカーによって違いがありますが、家庭用向けでは2~10g程度の商品が多いようです。枚数で計量できない分量の場合は、ハサミでカットして調整します。
粉ゼラチンは粉末のため、グラム単位の細かい分量でも計量しやすく扱いやすいのが特徴です。家庭で少量使用する場合には使い勝手が良いでしょう。
使用方法
板ゼラチンも粉ゼラチンも、水でふやかしてから使用するものが主流です。商品によってはふやかさずに使用できるものもあるので、パッケージをご確認くださいね。以下でそれぞれのふやかし方を確認してみましょう。
板ゼラチン
板ゼラチンをふやかす際のポイントは「たっぷりの冷水」を使用すること。冷水や氷水に浸すと板状を保ったままふやかすことができます。お湯やぬるま湯だと板ゼラチンが溶けてしまい扱いづらくなるので、必ず冷水でふやかしましょう。ふやかした板ゼラチンは、ぎゅっと絞って十分に水気を切ってから使用します。
粉ゼラチン
粉ゼラチンをふやかす際は、水にふり入れてかき混ぜることがポイントです。この時、粉ゼラチンに水をかけると、全体に水が行き渡らずダマになりやすいので注意。粉ゼラチンはふやかした水ごと使用します。
板ゼラチンと粉ゼラチンは代用できる?
板ゼラチンも粉ゼラチンも主成分は同じなので、それぞれ同量のグラム数で代用することができます。例えば、レシピの材料に「粉ゼラチン5g」とあれば、板ゼラチンをハサミでカットして5g計量すればOKです。
ただしレシピによっては、粉ゼラチンをふやかす水の分量が材料の中に計量されている場合があります。板ゼラチンは、ふやかすのに使用した水はしっかりと切って使用するため、厳密に同じ分量とするのは難しいレシピもありますので注意が必要です。
どちらを使用しても仕上がりに大きな差はありませんが、板ゼラチンのほうが見た目に透明感があり、口当たりが柔らかく、滑らかな仕上がりになります。粉ゼラチンは、板ゼラチンより弾力があります。
固める力は板ゼラチンのほうが弱く、粉ゼラチンよりも固まるまでの時間が長くかかるので、その点も覚えておきましょう。
性質を知ってゼラチンを使いこなそう!
少し扱い方にコツが必要な板ゼラチンですが、枚数で計量できるため利便性が高く、粉ゼラチンに比べ透明感のある美しい仕上がりになります。少量を使用する場合は粉ゼラチン、多めに使用する場合は板ゼラチンといった具合に、用途に応じて使い分けをしてみてはいかがでしょうか。
クラシルでは、ゼラチンを使用したお菓子のレシピをたくさんご紹介しています。ぜひ色々試して、お気に入りレシピを探してみてくださいね。