「リストランテ、バル、ビストロ、トラットリア」の違いをご存知ですか?これら飲食店の呼称には意味があり、そのお店の形態や雰囲気、利用シーンなどを表すメッセージでもあるのです。今回はリストランテの意味をはじめ、イタリアとフランスのレストランの種類のほか、それぞれの違いや料理、ドレスコードなどをご紹介します。
リストランテってどういう意味?バル、ビストロ、トラットリアなどとの違いについても解説!
- 目次
- リストランテとは?
- 飲食店の呼称で形態が変わる?
- イタリア
- フランス
- イタリアの飲食店と、それぞれの特徴は?
- トラットリア(trattorìa)
- オステリア(osteria)
- タヴェルナ(taverna)
リストランテとは?
「リストランテ(ristorante)」とは、イタリア料理店の中で1番高級なレストランのこと。日本ではカジュアルなお店も多いですが、本場イタリアでは洗練された料理やサービスを提供する高級店のことを指します。
リストランテはドレスコードがあり、料理はコースで提供されるのが一般的です。来店の際は事前に予約を済ませ、男性はジャケットにネクタイ、女性はワンピースやスーツを着用するのがマナーとなっています。
飲食店の呼称で形態が変わる?
イタリアやフランスでは、飲食店の呼称を見るだけでそのお店の格式や雰囲気、ドレスコードなどが分かるようになっています。代表的な形態を、格式が高い順にご紹介しましょう。
イタリア
・リストランテ(高級レストラン)
・トラットリア(大衆レストラン)
・オステリア(居酒屋)
・タヴェルナ(小規模な居酒屋・食堂)
・ピッツェリア(ピザ屋)
・バール(カフェバー)
フランス
・グランメゾン(超高級レストラン)
・レストラン(高級レストラン)
・オーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)
・ビストロ(小料理屋・居酒屋)
・ブラッスリー(ビアバー・居酒屋)
・カフェ(カフェバー)
日本の洋食屋はレストランで統一することが多いですが、イタリアやフランスはさらに細かい業態に分かれています。しかし、近年はカジュアルなリストランテがあったり、高級なトラットリアがあったりと、その違いが曖昧になってきている所も多いようです。お店の雰囲気やドレスコードなどが分からない場合は、予約の際に確認しておくと安心ですよ。
イタリアの飲食店と、それぞれの特徴は?
イタリアの飲食店は、フランスより細かい業態に分かれています。お店のスタイルにもよりますが、ドレスコードがあるのはリストランテのみなので、気軽に利用できる飲食店が多いのが魅力です。
トラットリア(trattorìa)
「大衆的なレストラン・食堂」を意味する、家庭的な雰囲気のイタリア料理店です。料理はコースとアラカルトの両方があり、地方の伝統料理が多いのが特徴です。基本的にドレスコードはなく、予約なしで入店することができますが、服装はお店の雰囲気に合わせた方がよいでしょう。
オステリア(osteria)
トラットリアとよく似ていますが、お酒の種類がより豊富なのが特徴です。ワインを片手にワイワイと楽しめる、居酒屋のような雰囲気のお店が多いです。基本的にドレスコードはなく、カジュアルな服装で入店することができます。
タヴェルナ(taverna)
「大衆食堂・居酒屋」を意味する小規模なお店で、料理はトラットリアに近いです。イタリアでは裏路地にある、小さな隠れ家的なお店が多いようです。
エノテカ(enoteca)
「ワイン蔵」を意味する、お酒の販売がメインのワインバーです。料理はおつまみが中心なので、パスタや肉料理などしっかりとした食事を注文する必要はなく、気軽に利用することができます。
ピッツェリア(pizzeria)
ピザ専門店のことで、ファストフードのように気軽に利用することができます。イタリアでは、ピザはピッツェリアでいただくのが一般的なので、リストランテなどの高級店で提供されることはほとんどありません。
バール(bar)
食堂とバーが一緒になったような、カジュアルな飲食店です。営業時間が長いお店が多く、朝はパンとコーヒー、昼はランチ、午後はティータイム、夜はアルコールと軽食と、一日を通して楽しむことができます。南ヨーロッパに多い形態で、スペインでは「バル」と呼ばれています。
フランスの飲食店と、それぞれの特徴は?
フランスでは、格式高いお店とカジュアルなお店がはっきりと分かれており、そのお店ならではの楽しみ方があります。フランスの飲食店について、それぞれの違いや特徴を詳しくご紹介しましょう。
グランメゾン(grand maison)
格式高い超高級フランス料理店で、日本には数十件しかないと言われています。一流のコース料理やサービスはもちろん、洗練された空間の中で特別なひとときを楽しむことができます。客層は富裕層が多く、結婚式などのお祝いごとに利用されることもあります。ドレスコードは、男性はジャケットやスーツスタイル、女性はワンピースやエレガントなスーツの着用が基本。子どもの年齢制限がある場合も多いため、事前に確認しておくとよいでしょう。
レストラン(restaurant)
正統派のフランス料理店で、洗練されたコース料理やサービスを楽しむことができます。ドレスコードはお店によってさまざまですが、男性はジャケットもしくは襟付きのシャツ、女性はワンピースやスーツなど、カジュアルになりすぎない配慮が必要です。
オーベルジュ(auberge)
ホテルを併設したレストランで、自然豊かな郊外にあることが多いです。地元の新鮮な食材を使ったコース料理を、帰宅時間を気にせずリラックスして楽しむことができます。ドレスコードはそれほど厳密ではありませんが、ディナータイムにカジュアルな服装は避けた方がよいでしょう。
ビストロ(bistro)
「小さな料理店」を意味する、家庭的な雰囲気の小料理屋・居酒屋です。ドレスコードはなく、カジュアルな雰囲気の中で気軽にフランス料理を楽しむことができます。料理はアラカルトが中心なので、1人でも利用しやすいのが魅力です。
ブラッスリー(brasserie)
「ビアホール」を意味する、フランス風居酒屋のようなお店です。ビストロとよく似ていますが、アルコールやおつまみの種類が豊富で、より気軽に利用することができます。
カフェ(café)
フランスはカフェが多く、どのお店もドレスコードなしで気軽に利用することができます。昼間はカフェ、夜はアルコールと軽食など、日本のカフェ&バーのような業態で運営しているお店も多いです。
利用シーンに合わせた楽しみ方を満喫しよう!
今回は、リストランテの意味をはじめ、イタリアとフランスのレストランの種類や、それぞれの形態や雰囲気、利用シーンなどをご紹介しました。飲食店の呼称には、そのお店の格式や雰囲気などさまざまなメッセージが含まれているんですね。日本ではカジュアルなお店も多いですが、名称の違いを知って利用シーンに合わせた楽しみ方を満喫してみてくださいね。