赤いうろこ状の果皮が特徴的な「ライチ」。皮は手で剥くことができ、中には乳白色のみずみずしい果肉が詰まっています。果肉はプリっとした弾力があり、甘くてジューシー。食べると上品な芳香が口いっぱいに広がります。今回は、ライチに含まれる栄養素や、おいしいライチの選び方についてご紹介します。かの楊貴妃も愛したとされるライチを、ぜひ味わってみてください。
ライチの選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」
- 目次
- 楊貴妃も愛したライチ
- ライチの主な品種
- 主要な栄養価はこちら
- ライチに含まれる栄養素を詳しく解説
- おいしいライチの選び方
- おいしいライチを選んで、旬の味を楽しもう
楊貴妃も愛したライチ
ライチは「美の果物」と呼ばれ、世界三大美女の一人、楊貴妃が愛した果物として有名です。唐の玄宗皇帝は、ライチを好む楊貴妃のために、広東地方から長安までの数千里という長い距離を運ばせたというエピソードが残っています。ライチの品種のひとつ「妃子笑(ひししょう)」という名前は、ライチを見た楊貴妃が美しく微笑んだことにちなんでつけられたそう。
ライチの歴史は古く、中国南部では紀元前から栽培されていたといわれています。漢の時代には、希少な果物として皇帝への献上物とされていました。日本には、江戸時代の終わりに鹿児島県に伝わったとされています。
冷凍のライチは通年出回りますが、旬は初夏から7月にかけてです。国内で流通しているライチのほとんどは中国産か台湾産ですが、国内でもわずかに栽培されています。沖縄県や鹿児島県、宮崎県が主な産地で、贈答用の高級品種も有名です。国産の収穫時期はさらに短く、6月中旬から7月ごろまでの限られた期間しか味わうことができません。
生のライチは、冷凍ものと比較にならないほどジューシーで、豊かな芳香を楽しめますよ。
ライチの主な品種
ライチにはいくつかの品種があり、代表的なものは「グリーンライチ」と「黒葉」の二種類です。
■グリーンライチ
先ほどご紹介した「妃子笑(ひししょう)」という品種は、このグリーンライチのひとつで、中国産です。台湾産のものは「玉荷苞(ぎょくかほう)」という名前で輸入されています。グリーンライチという品種名のとおり、果皮は黄緑色の部分が多く、部分的に赤色になっています。うろこ状の果皮はかたく、表面はイボのように尖った突起で覆われています。やや大ぶりで、プリプリとした食感で、果汁が多くジューシーな味わいです。
■黒葉(こくよう)
冷凍品として出回っているライチの多くは、こちらの黒葉という品種です。果皮の表面はグリーンライチと比べて平坦で、果皮は全体的に赤色をしています。グリーンライチより小ぶりな果実で、しっかりした濃厚な甘さが特徴です。
主要な栄養価はこちら
ライチ100gに含まれる主な栄養価は以下の通りです。
・エネルギー 61kcal
・たんぱく質 1.0g
・脂質 0.1g
・炭水化物 16.4g
・食物繊維 0.9g
・カリウム 170mg
・葉酸 100μg
・ビタミンC 36mg
ライチに含まれる栄養素を詳しく解説
ライチは、葉酸やビタミンCなどのビタミン類や、ポリフェノールの一種であるロイコシアニジンなどが含まれています。
■葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の形成やDNA合成に関わります。男女ともに年代を問わず必要な栄養素と言われています。
■カリウム
カリウムは体内の余分なナトリウムを体外に排出し、調整する作用があります。そのほか、筋肉の収縮などにも関わる重要なミネラルです。
■ロイコシアニジン
ポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑えて取り除く働きがあることでも知られています。
おいしいライチの選び方
生のライチは傷みやすく、あまり日持ちしない果物です。新鮮なものを購入してすぐに食べるようにしましょう。
新鮮でおいしいライチを選ぶポイントは以下の3つです。
■果皮にハリがある
果皮がみずみずしくハリがあり、ふっくらとしているものを選びましょう。表面のうろこ状の突起が尖っているほど新鮮です。持ったときに重量感があるかどうかも確認してみましょう。軽いものは乾燥して味が落ちている可能性があります。
■果皮の色が鮮やか
ライチは、品種によって鮮やかなピンク色や緑がかったものなどがありますが、果皮が鮮やかな色をしているものが新鮮です。「妃子笑(ひししょう)」など果皮が緑色の品種もありますが、この場合も緑色が鮮やかなものを選びましょう。茶色く変色したものは、収穫してから時間が経って鮮度が落ちているので避けましょう。
■シワや傷がない
果皮にシワが寄っているものは鮮度が落ちている可能性が高いので避けましょう。ライチの果皮は傷つきやすく、傷ついた場所から傷んでいくのでこの点もチェックしましょう。
おいしいライチを選んで、旬の味を楽しもう
ライチに含まれる栄養素と、おいしいライチの選び方についてご紹介しました。生のライチは滅多に見ることのない希少品で、さらに国産となると6月中旬から7月ごろまでの限られた期間しか流通しません。もし見かけたら、この記事を参考に新鮮なライチを選んで味わってみてくださいね。
クラシルでは、ライチの保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。