シャリっとした独特の食感と、みずみずしさが魅力の梨。日本では、梨といえば「和梨」と「洋梨」が有名ですが、もう一つ「中国ナシ」という種類があるのをご存知でしょうか。見た目は洋梨、そして食感は和梨に似ている中国ナシ。生食の他、缶詰や瓶詰などの加工品にも使われています。
中国ナシの選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」
今回は、そんな中国ナシに含まれる栄養素や、おいしい中国ナシの選び方についてご紹介します。ぜひお買い物の際の参考にしてみてくださいね。
- 目次
- 中国ナシってどんな梨?
- 中国ナシにはどんな種類があるの?
- 主要な栄養素はこちら
- みずみずしさの秘密は水分量にあり!
- おいしい中国ナシの選び方
- おいしい中国ナシを選んで味わおう!
中国ナシってどんな梨?
日本ではあまり聞きなれない「中国ナシ」ですが、見た目は洋梨に、そしてシャリっとした食感は和梨に似ています。程よい酸味と甘み、そしてジューシーな食感が楽しめ、生食の他、缶詰や瓶詰などの加工品にもよく使われる果物です。味と香りの良さから、贈答品としても人気を集めています。
中国ナシが多く出回る時期は10月~12月の秋から初冬にかけて。流通する量が少ないため、あまりお目にかかれる機会は多くありませんが、「千両梨(身不知)」という品種は主に北海道、「鴨梨(ヤーリー)」という品種は主に岡山県近辺を中心に作られています。
中国ナシにはどんな種類があるの?
■千両梨(身不知)
主に北海道で栽培されている中国ナシ。「身不知(みしらず)」とも呼ばれています。果皮は黄緑色で、さわやかな酸味と甘み、そして和梨のようなシャリっとした食感が特徴です。日本で栽培されている中国ナシの多くはこの千両梨です。
■鴨梨(ヤーリー)
岡山県近辺で多く栽培されている中国ナシ。形は洋梨に似ていて、追熟すると果皮の黄色くなり、特有の甘い香りがします。果肉はやわらかくシャリッとした食感。ほどよい甘味とたっぷりの果汁が特徴です。
■慈梨(ツーリー)
栽培量が非常に少ない品種。鴨梨(ヤーリー)と同じく、洋梨に似た形をしています。果皮の色は黄から黄緑で茶色い果点があり、熟すと特有の香りがします。
主要な栄養素はこちら
中国ナシ100gに含まれる主な栄養素は以下の通りです。
・エネルギー 49kcal
・たんぱく質 0.2g
・脂質 0.1g
・炭水化物 12.7g
・ビタミンB1 0.02mg
・ビタミンB2 0.01mg
・ビタミンB6 0.02mg
・葉酸 6μg
・ビタミンC 6mg
・カリウム 140mg
・食物繊維 1.4g
みずみずしさの秘密は水分量にあり!
中国ナシには、カリウムや食物繊維、そしてたっぷりの水分が含まれています。和梨、洋梨、中国ナシは、含まれる栄養素に大きな差はなく、どれもビタミン類の含有量はさほど多くはありません。
みずみずしい中国ナシは、約85%が水分でできています。冷やして食べれば、ひんやり爽やかな果汁が口いっぱいに広がり、格別のおいしさです。
■カリウム
体内の水分を調整する役割を持つ栄養素。余計なナトリウムを身体の外に出す働きがあり、むくみの改善などに効果が期待できます。また、筋肉の収縮や神経伝達などに重要な役割を担っているため、不足すると脱力感等の症状が現れる場合があります。
■食物繊維
私たち人間の消化酵素では消化できない食物中の成分。水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の2種類がありますが、中国ナシにはどちらも含まれています。水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑制したり、糖の吸収を穏やかにする働きがあり、不溶性食物繊維は、便のかさを増やして排便しやすくしたり、腸内環境を改善する働きが知られています。
おいしい中国ナシの選び方
新鮮でおいしい中国ナシを選ぶポイントは以下の3つです。
■実が丸々として形が良く、皮に張りがあるもの
まずは梨の形をチェック!実が下膨れでふっくらとし、果皮には張りがあるものを選びましょう。果皮に張りがなく、しわがあるものは、乾燥してしまっている場合がありますので避けましょう。
■果皮に傷のないもの
傷がついていると、そこからどんどん傷み出してしまいます。鮮度を長持ちさせるためにも、果皮に傷がないきれいなものを選ぶようにしましょう。
■食べごろの色をチェック
中国ナシは品種によって完熟状態での色が違います。千両梨(身不知)は完熟しても緑色のままの品種ですが、完熟してくると黄緑色になります。さらに黄みがかった緑色のものは、果肉もかなりやわらかめの状態になりますので、ジャムやコンポートにする場合におすすめです。
鴨梨(ヤーリー)は、未熟なうちは果皮が緑色ですが、完熟してくるとだんだんと黄色に変化していきます。淡い黄色の状態が、食べごろの合図です。
おいしい中国ナシを選んで味わおう!
中国ナシに含まれる栄養素と、おいしい中国ナシの選び方についてご紹介しました。なかなか出会うことのない中国ナシですが、もし見つけた時にはポイントをしっかり押さえて、新鮮でおいしい中国ナシを選んでみてくださいね。
クラシルでは、中国ナシの保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。