2023.6.13

ジビエは「新鮮なら生でも大丈夫」は嘘!?絶対にNGな理由と正しい加熱を徹底解説!

ジビエは「新鮮なら生でも大丈夫」は嘘!?絶対にNGな理由と正しい加熱を徹底解説!

少しずつ身近な存在になりつつある「ジビエ」。野生の鳥獣をもちいた肉料理のことで、専門店なども登場しています。ところで、ジビエは新鮮なら生で食べてもいいのでしょうか?じつは、どんなに新鮮であっても生食やレアの状態で食べるのは危険なんです!今回はその理由や安全な食べ方を、厚生労働省のガイドラインをもとに詳しく解説していきますよ。おうちで楽しめるジビエ料理もご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。

ジビエを生で食べるのはNG!その理由は…?

ジビエはどれだけ新鮮でも、中心までしっかりと加熱する必要があります。その理由は、食中毒の危険があるから。ジビエは鹿やいのししなど、狩猟の対象になる野生の鳥獣です。そのためエサや健康状態の管理がされていません。ウイルスや細菌、寄生虫などどのような病原体を持っているかが不明なため、しっかり加熱せずに食べるのはリスクが高いんです。では、どのようなリスクがあるのでしょうか?

■ E型肝炎ウイルス

ジビエが保有している可能性がある代表的な病原体はE型肝炎ウイルスです。数週間の潜伏期間後、急性肝炎や劇症肝炎を引き起こすことのあるウイルスで、発熱や腹痛、肝機能の悪化などが主な症状です。調理前の段階でも血液を介して感染しないように注意が必要です。

■ 腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌は「O157」のほか「O26」や「O111」など複数種類があります。感染すると毒素を生み出し、出血を伴う腸炎や溶結性尿毒症症候群などの食中毒を引き起こすことがあります。

■ 寄生虫

旋毛虫(トリヒナ)などの寄生虫がいることがあります。旋毛虫症(トリヒナ症)の原因となる寄生虫で、軽度の場合は無症状で済むこともありますが、ひどい場合は呼吸麻痺などを引き起こします。

いずれも場合によっては命に関わるリスクのあるものです。ほかにも病原性大腸菌、サルモネラ菌など気をつけなければいけない病原体が潜んでいる可能性も。このようないろいろなリスクを知ると、しっかり加熱していないジビエを食べるのはNGだということがわかりますね。調理前の衛生管理に加え、しっかりと中心部まで火を通してから食べるようにしてくださいね。

ジビエはどのくらい加熱すればいいの?

ジビエの生食や半生の状態で食べるのは、リスクが高いということがわかりました。ではどのくらい加熱すればいいのでしょうか?

ジビエによる食中毒を防ぐには、中心部までしっかり加熱することが大切です。肉の中心部の色がしっかり変わっていることを確認しましょう。また、中心部の温度が75℃で1分以上、70℃なら3分以上が加熱殺菌の目安です。

また、使用するまな板や包丁などの調理器具も用途ごとに交換や消毒を行い、衛生管理を徹底することも大切です。

ジビエをおうちで楽しみたい!

安全な調理をすれば、ジビエは普段食べることのできないお肉が味わえる楽しいグルメです。レストランで身近になってきたジビエ料理を、おうちでも楽しんでみませんか?ここからはおいしいジビエ料理のレシピをご紹介しますよ。鹿肉を使ったおしゃれな洋食から、いのしし肉の和食メニューまで、おうちで楽しみやすいレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

1.鹿ロース肉の赤ワイン煮込み

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まるでレストランのメニューみたい!鹿ロース肉の赤ワイン煮込みを作ってみませんか?鹿ロース肉は脂身が少ないので、あっさりといただけます。玉ねぎやセロリなどの香味野菜と赤ワインでじっくり煮込んだ鹿ロース肉は、ほろっとやわらかく奥深い味わいですよ。パスタソースにしてもおいしいので、ぜひ作ってみてくださいね。

材料(4人前)

  • 鹿ロースブロック肉・・・300g
  • 塩・・・小さじ1/3
  • 強力粉・・・大さじ1
  • オリーブオイル・・・大さじ1
  • ペコロス・・・6個

ソフリット

  • 玉ねぎ・・・150g
  • にんじん・・・80g
  • セロリ・・・70g
  • ニンニク・・・1片
  • 有塩バター・・・30g
  • 赤ワイン・・・300ml
  • カットトマト缶・・・150g
  • (A)ローリエ・・・2枚
  • (A)コンソメ顆粒・・・小さじ1/2
  • (A)塩・・・小さじ1/3
  • 生クリーム・・・大さじ1

作り方

準備.にんじんは皮をむいておきます。セロリは根元を切り落とし、筋を取り除いておきます。
1.ペコロスは根元に深さ5mm程度の切り込みを十字に入れます。
2.玉ねぎ、にんじん、セロリは一口大に切り、フードプロセッサーにニンニクと一緒に入れ、細かくなるまで攪拌します。
3.鹿ロースブロック肉は大きめの一口大に切り、全体に塩、強力粉の順でまんべんなくまぶします。
4.中火で熱した圧力鍋にオリーブオイルをひき、3を入れ全体に焼き色がつくまで焼き、鹿ロースブロック肉を取り出します。
5.有塩バター、2、(A)を入れ、しんなりするまで15分程度炒めます。
6.4、1、赤ワイン、カットトマト缶を入れ蓋をし、強火にし圧力がかかったら弱火にし、鹿ロースブロック肉がやわらかくなるまで20分程煮込み、火から下ろし、そのまま置きます。
7.安全ロックピンが下がり圧力が完全に抜けたら蓋を外し、煮汁が2/3程度になるまで中火で煮込みます。
8.火から下ろし、器に盛り付け、生クリームをかけたら出来上がりです。

※こちらのレシピは赤ワインを使用しております。加熱の状態によってはアルコールが含まれる可能性がありますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。

※鹿肉は血抜きなど、下処理がしっかりとされたものを使用してください。

※鹿肉は中心まで火が通るようにしっかりと加熱してください。

2.鹿肉の香草パン粉カツレツ

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ソースがなくても十分おいしい、鹿肉の香草パン粉カツレツのレシピをご紹介します。淡白な鹿ロース肉に、粉チーズのコクとハーブのさわやかな香りがマッチした香草パン粉をまぶして揚げ焼きにしました。麺棒で叩いた鹿肉はとってもやわらかい仕上がりですよ。お肉にクセがないので、カリッと香りのよい香草パン粉とよく合います。

材料(1人前)

  • 鹿ロースブロック肉・・・150g
  • 塩・・・小さじ1/4
  • 溶き卵 (Mサイズ)・・・1/2個分
  • 薄力粉・・・大さじ1

香草パン粉

  • パン粉・・・大さじ3
  • 粉チーズ・・・大さじ1
  • バジル (乾燥)・・・小さじ1/2
  • オレガノ (乾燥)・・・小さじ1/2
  • オリーブオイル・・・適量
  • クレソン・・・20g
  • 粉チーズ (仕上げ用)・・・小さじ1/2

作り方

1.バットに香草パン粉の材料を入れ、よく混ぜ合わせます。
2.鹿ロースブロック肉にラップをかぶせ、麺棒で1cm程度の厚みになるように叩きます。
3.ラップをはがし、両面に、塩、薄力粉、溶き卵、1の順で衣をつけます。
4.フライパンの底から1cm程度の高さまでオリーブオイルを入れ190℃に熱し、3を入れ、鹿ロースブロック肉に火が通るまで2分程度揚げ焼きをします。
5.油を切り、食べやすい大きさに切り分け、クレソンを添えたお皿にのせ、仕上げ用の粉チーズをふりかけたら出来上がりです。

※鹿肉は血抜きなど、下処理がしっかりとされたものを使用してください。

※鹿ロース肉は中心まで火が通るようにしっかりと加熱してください。

3.いのしし肉で ぼたん鍋

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いのししの肉が手に入ったら、おいしいぼたん鍋にしてみませんか?脂が少なく淡白な味わいの猪もも肉と野菜や焼き豆腐を、コクのあるみそ仕立てのつゆで煮込んでいただきます。豚肉と比べてちょっとクセのある猪の肉も、みそや生姜の入ったつゆのおかげで食べやすく仕上がりますよ。ぜひお試しくださいね。

材料(4人前)

具材

  • 猪もも薄切り肉・・・300g
  • 焼き豆腐・・・250g
  • 白菜・・・150g
  • 長ねぎ・・・1本
  • 春菊・・・100g
  • えのき・・・100g

つゆ

  • お湯・・・500ml
  • 料理酒・・・100ml
  • みりん・・・大さじ3
  • 赤みそ・・・大さじ3
  • 白みそ・・・大さじ2
  • すりおろし生姜・・・大さじ1

作り方

準備.長ねぎの根元は切り落としておきます。えのきは石づきを切り落としておきます。
1.白菜はざく切りにします。長ねぎは2cm幅の斜め切りにします。春菊は5cm幅に切ります。えのきは大きめにほぐします。
2.焼き豆腐は一口大に切ります。
3.ボウルにつゆの材料を入れ、みそが溶けるまで泡立て器で混ぜ合わせます。
4.土鍋に1、2、猪もも薄切り肉を入れ、3をまわしかけ蓋をして強火にかけ、ひと煮立ちしたら弱火にし、猪もも薄切り肉に火が通るまで15分程度煮込んだら出来上がりです。

※猪肉は血抜きなど、下処理がしっかりとされたものを使用してください。

※猪肉は中心まで火が通るようにしっかりと加熱してください。

4.いのしし肉の生姜焼き

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いつもは豚肉で作ることが多い生姜焼きを、いのしし肉で作るレシピをご紹介します。脂身が少なくあっさりとした味わいのもも肉を、生姜をきかせた漬けダレにしっかりと漬け込んでやわらかく仕上げています。甘辛いタレなので白いごはんによく合い、隣に添えたキャベツの千切りもモリモリいただけますよ。

材料(2人前)

  • 猪もも薄切り肉・・・200g

漬けダレ

  • 玉ねぎ・・・100g
  • 生姜・・・20g
  • (A)料理酒・・・大さじ2
  • (A)しょうゆ・・・大さじ1
  • (A)みりん・・・大さじ1
  • (A)砂糖・・・小さじ1
  • サラダ油・・・小さじ2
  • キャベツ (千切り)・・・50g

作り方

準備.生姜は皮をむいておきます。 1.玉ねぎ、生姜はすりおろします。
2.ボウルに猪もも薄切り肉、1、(A)を入れ全体に味がなじむようにもみこみ、落としラップをし冷蔵庫で1時間程度置きます。
3.強火で熱したフライパンにサラダ油をひき、2の猪もも薄切り肉を入れ、猪もも薄切り肉に火が通るまで5分程度焼き、取り出します。
4.同じフライパンに2の漬けダレを入れ中火にし、玉ねぎに火が通るまで煮詰め、火から下ろします。
5.キャベツをのせた器に3をのせ、4をかけたら出来上がりです。

※猪肉は血抜きなど、下処理がしっかりとされたものを使用してください。

※猪肉は中心まで火が通るようにしっかりと加熱してください。

しっかり火を通してジビエを楽しもう

最近注目されているジビエは、どれだけ新鮮でもしっかりと加熱していただくことが大切です。衛生面に気を付けながらしっかりと加熱すれば、おうちでもおいしいジビエ料理を楽しめますよ。もし鹿肉や猪肉が手に入ったら、ぜひおうちでおいしいジビエ料理を楽しんでみてくださいね。

参考:厚生労働省

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