クセになる味わいが特徴の「白カビチーズ」や「青カビチーズ」。ワインのおつまみや前菜などに大活躍の食材ですよね。でも、普通の食品はカビが生えたら食べられないのに、なぜチーズの「カビ」は食べても大丈夫なの…?と思ったことはありませんか?今回はそんな疑問にお答えすべく、チーズの「カビ」の謎に迫っていきます!後半ではチーズを使ったおつまみレシピもご紹介しているので、ぜひ最後までお楽しみくださいね。
チーズの“カビ”はなぜ食べても大丈夫?知っているようで意外と分からない身近な疑問
チーズにはどんな種類のものがある?
チーズには覚えきれないほどたくさんの種類がありますが、大きく分けると「プロセスチーズ」と「ナチュラルチーズ」の2つに分類されます。
ナチュラルチーズは、生乳に乳酸菌や酵素を加え、そこからホエイと呼ばれる水分を取り除いたものです。フレッシュタイプ、白カビタイプ、青カビタイプ、セミハードタイプ、ハードタイプ、ウォッシュタイプ、シェーブルタイプなど、作り方によってさらに細かく分類されます。
一方プロセスチーズは、上記の「ナチュラルチーズ」を溶かして固めたもの。製造の工程で加熱するため、より衛生的で保存性に優れています。固めるときにいろいろな形に成形することができるので、スライスチーズやキャンディーチーズなど、さまざまな形状のものがあります。
今回ご紹介する「カビが生えているタイプのチーズ」は、ナチュラルチーズに分類される「カマンベールチーズ」や「ブルーチーズ」などです。少し高級な雰囲気がありますが、最近はスーパーのチーズコーナーなどでもよく見かけるようになりましたよね!
チーズの「カビ」はなぜ食べても大丈夫なの?
チーズのカビが食べられる理由は、ズバリ「毒性のないカビ」だからです!
白カビタイプのチーズには「ぺニシリウム・カマンベルティ」、青カビタイプのチーズには「ペニシリウム・ロックフォルティ」などという種類のカビがついています。「ぺニシリウム・カマンベルティ」の方にはもともと毒性がありません。一方、「ペニシリウム・ロックフォルティ」には毒性があるのですが、チーズに含まれる「タンパク質」や「アンモニウム」などの影響によって無毒化されるため、どちらも体に悪い影響はないのだそう。
また、これらのカビがタンパク質を分解する酵素を分泌し、旨味成分の「アミノ酸」を作り出します。さらに脂肪を分解する酵素も分泌するので、カビタイプのチーズ特有の風味や味わいが生まれます。カビが生えていることで、チーズのおいしさがより引き出されているんですね!
ただし、購入したチーズにあとからカビが生えてしまった場合には注意が必要です。特に、もともとカビの生えていないフレッシュチーズなどにカビが発生してしまったときには、残念ながら食べることができません。購入後開封したら、早めに食べきるようにするのがよさそうですね!
白カビと青カビチーズの種類をご紹介!
チーズの旨味を引き出している「白カビ」と「青カビ」。ここからはそれぞれのチーズの特徴と種類についてご紹介していきます!
白カビタイプのチーズ
白カビタイプのチーズは、表面が白いカビで覆われていて、熟成が進むと中身がやわらかくなるのが特徴です。
■ カマンベール
クリーミーでやさしい味わいが人気のカマンベールは、フランス北部原産のチーズ。熟成するとトロリとした食感になります。
■ ブリ―
ブリーはフランスのブリ地方のチーズで、熟成するとなめらかな食感になり、コクのある繊細な味わいが楽しめます。白ワインやシャンパンとも相性がよいチーズです。
■ シャウルス
シャウルスはブルゴーニュの修道士によって作り出された、由緒のあるチーズです。薄めの白カビに包まれたチーズは濃厚な味わいで、ほんのりフルーティーな香りを感じることも。
青カビタイプのチーズ
青カビタイプのチーズはブルーチーズとも呼ばれ、特有の香りと濃厚な味わい、塩味の強さが特徴です。
青カビが繁殖するのには空気が必要なため、作り方にも工夫が凝らされています。生乳に酵素などを加えて水分(ホエイ)を取り除いた段階で青カビをまぶし、そのあとに成形していきます。こうすることで、チーズ内部にできる隙間部分で青カビが繁殖し、切り口が大理石のようなあのおなじみの模様になるのだそうです。
■ ゴルゴンゾーラ
ゴルゴンゾーラは、イタリアの代表的なチーズのひとつ。切り口は青カビの緑色が美しいマーブル模様になっています。
■ ロックフォール
ロックフォールは羊乳を熟成して作る、青カビの模様が美しいチーズです。塩味と青カビの風味がとても強く、個性的な味わいが特徴です。
■ スティルトン
スティルトンは、特有の匂いとピリッとした刺激、そして濃厚なコクが感じられるチーズです。エリザベス女王の好物としても知られています。
カビチーズをはじめとするナチュラルチーズは、どれも地域や作り方によってバラエティに富んだ特徴を持っています。お店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね!
チーズを使ったおつまみをご紹介!
チーズはそのまま食べるのはもちろん、料理に使うとおいしさ倍増!ここからは、白カビと青カビチーズを使った、絶品おつまみレシピをご紹介します。ブルーチーズで作るパングラタンやカマンベールチーズのベーコン焼き、ブリ―チーズのさくさくパイピザなど、濃厚なチーズのコクを活かしたメニューを集めました。ぜひチェックしてみてくださいね。
1.食パンでブルーチーズとベーコンのパングラタン
食パンを使って作れる、ブルーチーズとベーコンのパングラタンはいかがでしょうか? ベーコンの旨みとブルーチーズの風味が引き立つソースが食パンにしみて、思わずやみつきになるおいしさ!まろやかな牛乳ととろけるピザ用チーズのコクも相まって、満足感たっぷりの一品に仕上がりますよ。チーズ好きな方はぜひ召し上がってみてくださいね。
材料(2人前)
具材
- 食パン (4枚切)・・・1枚
- ブロックベーコン・・・70g
- 玉ねぎ・・・50g
- 薄力粉・・・小さじ2
- 牛乳・・・100ml
- ブルーチーズ・・・50g
- コンソメ顆粒・・・小さじ1/3
- 有塩バター・・・20g
- ピザ用チーズ・・・30g
- オレガノ (乾燥)・・・適量
作り方
1.食パンは2cm角に切ります。
2.玉ねぎは薄切りにします。
3.ブロックベーコンは1cm角に切りします。
4.中火で熱したフライパンに有塩バターを溶かし入れ、2、3を入れブロックベーコンに焼き色がつくまで炒めます。
5.薄力粉を加えて炒め、粉っぽさがなくなってきたら弱火にし、牛乳、ブルーチーズ、コンソメ顆粒を入れとろみがつくまで煮て、火からおろします。
6.耐熱容器に1、5を入れ、ピザ用チーズをのせ、こんがりと焼き色がつくまでオーブントースターで7分程度焼き、オレガノをふりかけたら出来上がりです。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W180℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
2.まるごとカマンベールチーズのベーコン巻き
カリッと香ばしく焼いたベーコンから、濃厚なカマンベールチーズがあふれだすベーコン巻きを作ってみませんか?旨みたっぷりのベーコンと、とろとろクリーミーなカマンベールチーズは間違いのない組み合わせ!黒こしょうの辛味がアクセントになっていて、飽きの来ないおいしさです。お酒との相性も抜群ですよ。ミニトマトやレタスなど、フレッシュな野菜と一緒に食べるのもおすすめです。
材料(2人前(直径15cmスキレット))
- カマンベールチーズ・・・100g
- 薄切りロングベーコン (6枚)・・・100g
- 黒こしょう・・・適量
- ミニトマト (飾り用)・・・2個
- レタス (飾り用)・・・適量
作り方
1.カマンベールチーズを薄切りロングべーコンで巻きます。
2.スキレットに入れて、オーブントースターで15分焼きます。
3.こんがりとした焼き色が付いたら、黒こしょうをかけて完成です。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
3.ブリーチーズのサクサクパイピザ
上品な香りのブリ―チーズをのせた、サクサクパイピザをご紹介します。シャキシャキとした食感のアスパラガスと香りのよいマッシュルームが、濃厚なブリ―チーズによく合い、あとひくおいしさに仕上がりますよ。ハーブソルトの風味が食欲をそそり、次から次へと手が伸びてしまいます。冷凍パイシートを使って簡単に作れるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
材料(4人前)
- 冷凍パイシート (18cm×18cm)・・・1枚
- ブリーチーズ・・・100g
- アスパラガス・・・100g
- ブラウンマッシュルーム・・・2個
- ハーブソルト・・・小さじ1/4
トッピング
- 粗挽き黒こしょう・・・ふたつまみ
- オリーブオイル・・・小さじ1
作り方
準備.冷凍パイシートはパッケージの表記通りに解凍しておきます。ブラウンマッシュルームは軸を切り落としておきます。オーブンは200℃に予熱しておきます。
1.アスパラガスはピーラーで根元から1/3の皮をむき、3cm幅の斜め切りにします。
2.ブラウンマッシュルームは薄切りにします。
3.ブリーチーズは3cm幅に切ります。
4.クッキングシートを敷いた天板にパイシートをのせ、フォークで数ヶ所穴を開け、1、2をのせ、ハーブソルトをふりかけ、3をのせます。
5.200℃のオーブンでこんがり焼き色がつくまで20分焼きます。
6.粗挽き黒こしょうをふり、オリーブオイルを回しかけて完成です。
チーズのおいしさを活かしたおつまみで晩酌を楽しもう!
いかがでしたか?今回はチーズのカビにまつわる話と、チーズを使ったおつまみレシピをご紹介しました。チーズの旨みやコク、香りを活かしたおつまみは絶品のおいしさで、一口食べれば幸せな気分になれますよ。今回のレシピを参考に、晩酌にぴったりのチーズおつまみを作ってみてくださいね!
※20歳未満の飲酒はやめましょう。