ブラジル生まれの肉料理「シュラスコ」。長い串に刺したブロック肉を炭火でじっくりと焼きあげる、お肉好きにはたまらない一品です。本場ブラジルでは特別な日にいただくとっておきのメニューとして親しまれています。今回は、そんなシュラスコの特徴や歴史のほか、おすすめの食べ方やケバブとの違いなどもご紹介します。
シュラスコとは?特徴やケバブとの違いについて解説!
- 目次
- シュラスコとは
- 本場ブラジルでの食べ方
- シュラスコの歴史
- シュラスコにおすすめのお肉の種類と部位
- ピッカーニャ(イチボ)
- アウカトラ(ランプ)
- クッピン
- コラサォン(鶏ハツ)
シュラスコとは
「シュラスコ(Churrasco)」とは、ブラジルを代表する肉料理のひとつで、「ブラジル風バーベキュー」と紹介されることもあります。
バーベキューと言っても、日本のバーベキューとはスケールが違う豪快な一品で、牛をメインに、豚、鶏などのブロック肉やソーセージなどを1メートルほどの長い串に刺し、炭火でじっくりと焼きあげます。
時間をかけて焼きあげることで余分な脂が落ち、お肉の旨みも凝縮!くどくないけれど濃厚で、ジューシーな味わいを楽しむことができるのです。
お肉本来のおいしさを活かすため、味つけはシンプルに岩塩のみ。そのままはもちろん、みじん切りにしたトマトや玉ねぎ、ピーマンといった野菜に、オリーブオイルやワインビネガーなどを合わせた「モーリョ」というソースにつけていただくこともあります。
本場ブラジルでの食べ方
シュラスコは、ブラジルの人びとの間では誕生日などのお祝いやお祭り、週末に家族や仲間が集まったときなどにいただくとっておきの一品で、国内には「シュラスカリア」と呼ばれるシュラスコ専門レストランも充実しています。
食べ放題のお店が多いのが特徴で、ウエイターが串に刺さったままのお肉を客の目の前で好きなだけ切り分けてくれるそうです。お肉がメインの料理ではありますが、口直しやシメに野菜やチーズ、パイナップルやバナナといった果物を焼いてサーブすることも多いんですよ。
ブラジルの家庭では「シュラスカリア」というシュラスコ専用のコンロや、バーベキューコンロなどを使って屋外で調理するのが一般的。薄くスライスしたお肉をパンに挟むなど、レストランとはひと味違う自由なスタイルで、家族や友人たちと過ごすひとときを楽しむそうです。
なお、日本でシュラスコが知られるようになったのは2014年のころ。ブラジルでサッカーのワールドカップが開催されたのをきっかけにシュラスコ専門店が次々とオープンし、国内でも本場の味わいを楽しめるようになりました。
シュラスコの歴史
シュラスコの歴史は古く、その原型が誕生したのは17世紀から19世紀ごろ。アルゼンチンやウルグアイ、ブラジル南部の草原地帯に暮らしていたカウボーイ「ガウーショ」たちの間で親しまれていた肉料理が起源だと言われています。
「味つけは岩塩のみ」「かたまり肉を使う」「時間をかけてお肉に火を通す」など基本的な作り方は現在のシュラスコとほとんど変わりませんが、当時は粗塩を振りかけた牛のかたまり肉を串やサーベルに刺し、たき火で何時間もかけて焼きあげていたのだとか。
ちなみに、先ほどご説明したシュラスコ専門レストラン「シュラスカリア」の中には、シュラスコの生みの親であるガウーチョにあやかり、彼らと同じカウボーイ姿のギャルソンがもてなしてくれることもあるのだそうです。
シュラスコにおすすめのお肉の種類と部位
シュラスコの特徴や歴史について確認したところで、ここからはシュラスコには欠かせない、代表的なお肉の種類や部位をご紹介します。
ピッカーニャ(イチボ)
数ある部位の中でも花形的存在といっても過言ではないピッカーニャ。牛のおしり付近に位置する希少部位で、日本では「イチボ」と呼ばれています。炭火でじっくり焼くと牛肉の旨みがぎゅっと凝縮され、濃厚な味わいに仕上がります。
アウカトラ(ランプ)
牛のもも脚からお尻までの部位で、ピッカーニャなどと同じくシュラスコには欠かせない具材のひとつ。赤身と脂肪のバランスがよく、ほどよい噛み応えと牛肉らしい濃厚な旨みを楽しめます。
クッピン
セブ牛の背中のこぶから取れるクッピンは、日本では滅多に見られないとても貴重な部位です。とろけるような口どけが特徴で、脂がのったお肉が食べたいときにおすすめです。
コラサォン(鶏ハツ)
日本では焼き鳥などでおなじみの、鶏の心臓にあたる部位です。ホルモンの中でも臭みが少なく、外はカリカリ、中はもちもちとした食感がクセになると評判です。
リングイッサ
リングイッサとはブラジルでは定番の生ソーセージのこと。焼き目がつくまで香ばしく焼きあげて、カリッとジューシーな味わいに仕上げます。
ドネルケバブとの違いとは
シュラスコと間違えられやすい料理に、お祭りの屋台やキッチンカーなどでおなじみの「ドネルケバブ」があります。一体どのような違いがあるのか確認してみましょう。
そもそもドネルケバブとは、牛や鶏、羊などの薄切り肉を何枚も重ねてブロック状にまとめたものに串を刺し、専用のグリルで回転させながら焼きあげるトルコ料理のこと。薄切り肉はスパイスやヨーグルトで下味をつけ、エキゾチックな味わいに仕上げます。
一方、先ほどもご説明した通り、シュラスコで使うお肉は牛や豚、鶏などのブロック肉。味つけはシンプルに岩塩のみか、ソースにつけていただきます。
つまり、シュラスコとドネルケバブの共通している点は「串に刺した大きなお肉をじっくり焼く」のみ。一見よく似ているように見えますが、使うお肉の種類や形状、味つけなどは大きく異なるのです。
味も見た目も大満足!シュラスコを食べに行こう
南米最大の国、ブラジルが生んだ肉料理「シュラスコ」。長串に刺したブロック肉を炭火で焼くだけのシンプルな一品ですが、お肉本来の旨みが凝縮された、濃厚でジューシーな味わいを楽しむことができます。
今回ご紹介したおすすめのお肉などを参考に、ぜひシュラスコ専門店に足を運んでみてくださいね。