日本人にとって欠かせない「お米」。一般的に、専用の計量カップで1合ずつはかって炊きますが、この「1合(ごう)」とは一体何グラムなのでしょうか。今回は、お米の正しいはかり方や一合あたりのグラム数、さらになぜ「合」という単位が使われるのか解説します。ぜひ参考にしていただき、お米をおいしく炊いてみましょう!
一合って何グラム?お米の正しい測り方について解説!
- 目次
- 米一合は約150グラム
- そもそも「合」とは?いつから使われているの?
- 「合」以外でお米をはかるには?
- 炊き上がりの重さはどれくらい?
- お米専用の計量カップを使った正しいはかり方
- 計量カップの代用品とそれぞれを使った正しいはかり方
- お米のはかり方を動画でチェック!
- 【番外編】炊飯時の水の量を知って自分好みのかたさに!
- 【番外編②】お米の種類や品種に水の量を変える
- お米の正しいはかり方を覚えよう!
米一合は約150グラム
お米をはかるときは、一般的に「一合」ずつはかりますよね。この「一合」というのは、g(グラム)で表すと約150gになります。
これを覚えておくと、お米専用の計量カップがないときでも1合をはかることができるので、覚えておくと便利ですよ!
そもそも「合」とは?いつから使われているの?
「合」とは日本独自の体積を表す単位で、主にお米やお酒をはかるときに使います。
時代が進むにつれて国際単位である「g(グラム)」や「cc(シーシー)」などを使うことも増えてきましたが、まだまだ「合」という単位は私たちにとってなじみ深いですよね。では、この「合」は一体いつ頃から使われているのでしょうか?
「合」という単位は2000年前から使われている
合という単位のルーツをさかのぼると、なんと約2000年も前。現在の中国である「漢」の時代にあるようです。現在のようなkg(キログラム)やt(トン)が使われる前はお米の量を重さではなく容量ではかっていたのだとか。
当時は合のほかに「石(こく)」、「斗(と)」、「升(しょう)」という単位がありました。現在でも、一斗缶や一升炊きの炊飯器、一升瓶など耳にすることがあるのではないでしょうか。
米の単位が「合」に統一されたのは江戸時代
合という単位が日本の歴史に登場する最も古い記録は大宝律令が制定された701年とされていますが、当時は地域によって量にばらつきがありました。
そんなお米の単位が江戸時代になり、徳川家康によって全国的に統一されたのです。
「合」以外でお米をはかるには?
「合」についてわかったところで、ここからは「合」という単位以外でお米をはかる方法について解説します。いくつか方法がありますが、まずは計量の単位について簡単におさらいしてみましょう。
| 単位 | 1合換算 |
|---|---|
| g(グラム) | 150g |
| ml(ミリリットル) | 180ml |
| cc(シーシー) | 180cc |
米をg(グラム)ではかる
冒頭でもお伝えしたように、生のお米一合は約150g。これはお米の量を質量ではかっていることになります。
一合をはかるお米専用の計量カップがないとき、一番誤差が出にくいのはキッチンスケールなどを使ってグラムではかることです。
米をml(ミリリットル)やccではかる
米は液体用の計量カップを使うこともできます。お米一合をml(cc)に換算すると一合は約180ml(180cc)となります。一般的に1カップと呼ばれる200mlとは異なるので気をつけてくださいね。
💡ワンポイント豆知識
実はg(グラム)とml(ミリリットル)は似ているようで異なるもの。gは質量(=物質の量)をはかっているのに対し、mlは体積(=立体のかさ)をはかる単位なので、はかっている対象が異なるのです。
お米の品種や状態によって変わるので注意!
ただし、上記の値はあくまで目安です。お米の品種をはじめ水分の含有量、玄米や胚芽米、新米や古米といったお米の状態によっても多少の誤差が生じることもあるので、目安として覚えてみてくださいね。詳しいはかり方はこのあとに動画で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
炊き上がりの重さはどれくらい?
ちなみに、生のお米が水を吸うと当然重さも変わります。研ぐ前は150gだったお米は研いだあと浸漬することで約1.33倍の200gに、炊きあがりの重さは約2〜2.3倍の300g〜350gにも増えるのだそうです。
茶碗一杯(一膳)は中盛りで約150gと言われているので、1合でだいたい2杯強分が炊ける計算になります。こちらも合わせて覚えておくと便利ですよ!
お米専用の計量カップを使った正しいはかり方
いつも通り炊飯したはずなのに炊き加減が一定にならないという方は、まずお米のはかり方を見直してみましょう!お米専用の計量カップをお持ちの方は、以下の方法で計量してくださいね。
①米をふわっとすくい上げる
180mlの計量カップを手に持ち、米びつやタッパーなどからふわっとお米をすくいあげます。
②米を平らにならす(すり切りする)
平らな場所に置いてお米の盛り上がった部分を軽く平らにならしますが、このことを「お米のすりきり」と言います。箸や計量スプーンなどの柄の部分を使ってすり切りましょう。このとき、上からお米を押さえつけないように気をつけてくださいね。
計量カップの代用品とそれぞれを使った正しいはかり方
ここからはお米用の軽量カッブがないときの代用品と、それぞれの道具を使った正しいお米のはかり方をご紹介します。
計量カップ【ml(cc)】
1合あたり=180ml(cc)
お米専用の計量カップがない場合は、液体をはかる際にいつも使っている計量カップで代用しましょう。計量カップではかる場合は、mlやccに変換するので、
180mlのラインまで
お米を入れましょう。
キッチンスケール【g(グラム)】
1合あたり=150g
先ほどお伝えした通り、
生の米一合は150グラムに相当
します。キッチンスケールは平らな場所において容器の重さを差し引き、正確にはかりましょう。
紙コップ【ml(cc)】
1合あたり=180ml(cc)
計量カップもキッチンスケールもない!というときには、一般的なサイズの紙コップも計量に使うことができますよ。一般的なサイズの紙コップの容量は200ml。
ふちから1cm程下を目安にお米を入れることでだいたい一合(180ml)
をはかることができます。
大さじスプーン【ml(cc)】
1合あたり=180ml(cc)
大さじスプーンの容量は1杯当たり15mlです。180mlをはかりたい場合は
12杯分をすくうと一合
になります。
お米のはかり方を動画でチェック!
合、そしてgやmlという単位、さらにお米の正しいはかり方や使えるアイテムについて確認したところで、改めて動画でお米のはかり方を確認してみましょう!
お米のはかり方
お米のはかり方を道具別に3パターンご紹介しています。先ほど挙げたキッチンスケールや紙コップを使う方法も動画で見ると分かりやすいですね。トントンと底をたたいてならさないのが正確にはかるコツですよ!いろいろなはかり方を知っておくことで、おうちではもちろん、アウトドアシーンなどでもお米をおいしく炊けるので、ぜひ覚えてみてくださいね。
【番外編】炊飯時の水の量を知って自分好みのかたさに!
ほぼ毎日食べるごはんには、人それぞれ好みの食感がありますよね。ここではお米一合を炊くときに必要な水の量を仕上がり別にご紹介します。また、お米の状態や品種によっても食感が変わるので、そちらも合わせてチェックしてみてくださいね。
水の量を調整する
| お米のかたさ | 水の量 | 食感・特徴 |
|---|---|---|
| 基本(ふつう) | ・一合に対して1.1〜1.2倍の約200mlが目安 |
・かた過ぎず、やわらか過ぎず、ちょうどよい |
| かため | ・約180〜198ml(1~1.1倍の水の量) |
・しゃっきりとした歯ごたえがある |
| やわらかめ | ・約216〜234ml(1.2〜1.3倍の水の量) |
・お米の甘みを感じられる |
ふつうのかたさに仕上げたいときは、研ぎ終わった洗米であれば基本的に、一合に対して1.1〜1.2倍の
約200ml
が目安です。かためにしたいときは水の量を基本の水の量から少し減らした
180〜198ml
にしましょう。
反対にやわらかくしたいときは、基本の水の量を少し増やして
216〜234ml程度
加えてくださいね。
⭐️クラシルシェフのアレンジポイント⭐️
もし水の量を間違えてかたく炊きすぎてしまったときは、チャーハンやドリアにするのがおすすめです!反対にやわらかくなりすぎてしまったときはおじややリゾットなどにするとおいしく食べられますよ。
【番外編②】お米の種類や品種に水の量を変える
先程は通常のお米を炊く場合の水の量をご紹介しましたが、水の量はお米の種類や状態によっても少し調整する必要があります。以下でチェックしておきましょう!
無洗米
無洗米はぬかの部分が除去されており、同じ一合でも正味量がやや増えるため水の量を少し増やす必要があります。
新米
秋ごろから出回る新米は水分をやや多く含んでいるため、水の量を少し減らして炊くとよいと言われています。
ただ、現在は新米も古米も同一の水分量で管理されていると言われているので、一度基本の量で炊いてみてお好みのかたさを探してみてくださいね!
お米の正しいはかり方を覚えよう!
普段何気なく使っているお米をはかる「合」という単位ですが、実は長い間使われてきた歴史のある単位です。一合あたりや炊いたあとのグラム数を知っておくことで毎日の食事の準備にも役立ちます。今回ご紹介した正しいはかり方を参考にして、おいしいごはんを楽しんでくださいね。
