毎日の料理に欠かせない調味料「みりん」。よく見てみると「本みりん」や「みりんタイプ調味料」、「みりん風調味料」と種類がいくつかあって、何が違うのか気になりますよね。今回は知っているようで知らない「みりん」の謎に迫ります!どのみりんがどんな料理に向いているのかも、あわせてご紹介しますよ。みりんを使ったおすすめレシピもピックアップしているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
”本みりん”と”みりん風調味料”の違いって何?「知れて得した!」
「本みりん」とそのほかのみりんの違いとは?
「本みりん」「みりんタイプ調味料」「みりん風調味料」。みりんには、そもそもどうしてこんなに種類があるのでしょうか?以下、それぞれの特徴を踏まえながら、詳しく見ていきましょう。
■本みりん
本みりんの原料は、米こうじや蒸したもち米、焼酎などの醸造アルコールなど。これらをじっくりと糖化・熟成させ、時間をかけて作られます。コクとまろやかな甘み、芳醇な香りが特徴で、料理に複雑な味わいと深みをもたらします。
和食料理に欠かせない奥深い味わいを醸し出すこの「本みりん」ですが、アルコール度数が約14%前後で酒税の対象となるため、価格はちょっと高め。酒類販売免許のあるお店でしか販売されておらず、20歳以上でないと購入できません。
■みりんタイプ調味料(発酵調味料)
みりんタイプ調味料は、米や米こうじを発酵させたものに水あめやアルコール、食塩などを加えて作られます。アルコールを含んでいますが、食塩を加えて不可飲処置をしているため酒税の対象にはなりません。そのため、本みりんと比べて安価なのが特徴。年齢の制限もなく、スーパーなどで手軽に購入することができます。
■みりん風調味料
みりん風調味料は水あめ(糖類)、米・米こうじの醸造調味料、酸味料などをバランスよくブレンドして作られます。こちらの特徴は、含まれるアルコールが1%未満であること。みりんタイプ調味長と同じく酒税がかからず、手軽に購入できるのがメリットです。
こうして並べてみると、「本みりん」のほかに「みりんタイプ調味料」や「みりん風調味料」が生まれた背景には、本みりんに含まれる「アルコール」成分が大きな影響を与えていることが分かります。おいしさと利便性、価格などを追及した結果、3つのタイプのみりんが生まれたんですね。
本みりんとそのほかのみりん、どう使い分ける?
本みりんとそのほかのみりんそれぞれの特徴がわかったところで、ここからはどう使い分けたらいいのかを見ていきましょう。3種類のみりんはどれも料理にまろやかな甘みをつけ、照りやつやを出してくれる効果があります。この共通点を踏まえたうえで、それぞれの特徴に合わせたおすすめの使い方をご紹介します。
■本みりん
本みりんには約14%ほどのアルコールが含まれているため、食材の臭みを消して煮崩れを防ぐ効果があります。またアルコールは食材に浸透しやすく、旨みや調味料を食材にひきこむ効果も。本みりんは煮物に使うと、料理をおいしくきれいに仕上げてくれますよ。
■みりんタイプ調味料(発酵調味料)
みりんタイプにもアルコールが含まれているので、本みりんと同じように煮物に向いています。ただし塩分が含まれているため、味を確認しながらそのほかの調味料を調節してくださいね。
■みりん風調味料
みりん風調味料には水あめなどの糖類が多く含まれているため、甘めに仕上げたい料理や、照りやつやをより強く出したい料理に向いています。
「本みりん」「みりんタイプ調味料」「みりん風調味料」。一度それぞれの違いを理解すれば、使いたい料理や好みに合わせて選ぶことが出来そうですね!
みりんを使ったおすすめレシピをピックアップ!
ここからは、みりんを使ったおすすめレシピをご紹介します。定番の和食おかず「ほっこり肉じゃが」や、彩りのきれいな「にんじんと明太子の白和え」など、みりんのまろやかな甘みが生きた絶品レシピばかりです。ぜひチェックしてみてくださいね。
1.おかずの定番 ほっこり甘い肉じゃが
和風おかずの定番「肉じゃが」を、ちょっと甘めに仕上げてみませんか?みりんを効かせた甘めの煮汁が具材にたっぷり染みこんで、ごはんが進むメインおかずになりますよ。今回は豚こま切れ肉を使いましたが、ほかの部位を使ったり、牛肉に代えると献立に変化をつけられます。フライパンひとつで手軽に作れるので、ぜひお試しくださいね。
材料(2人前)
- 豚こま切れ肉・・・150g
- じゃがいも (計200g)・・・2個
- 玉ねぎ・・・200g
- にんじん・・・50g
- しらたき・・・100g
- さやいんげん (冷凍)・・・4本
- 水・・・200ml
- (A)砂糖・・・大さじ2
- (A)みりん・・・大さじ1
- (A)顆粒和風だし・・・小さじ1
- しょうゆ・・・大さじ1.5
- サラダ油・・・大さじ1/2
手順
準備.じゃがいもは芽を取り除き、皮をむいておきます。 にんじんは皮をむいておきます。 しらたきはパッケージの表記通りに下ゆでしておきます。 さやいんげんはパッケージの表記の通りに解凍しておきます。
1.耐熱ボウルにさやいんげんを入れてラップをかけ、500Wの電子レンジで30秒ほど加熱し、3cm幅の斜め切りにします。
2.じゃがいもは一口大に切ります。
3.玉ねぎは10等分のくし切りにします。にんじんは5mm幅のいちょう切りにします。
4.中火で熱したフライパンにサラダ油をひき、豚こま切れ肉と2を入れて炒めます。豚こま切れ肉の色が変わったら3、しらたき、水、(A)を加え、蓋をして15分ほど煮ます。
5.豚こま切れ肉に火が通り、じゃがいもがやわらかくなったらしょうゆを加え、蓋をして中火で3分ほど煮ます。全体に味がなじんだら1を加えてひと煮立ちさせ、火から下ろします。
6.器に盛り付けて完成です。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら加熱時間を調整してください。必要に応じて食材に完全に火が通るまで加熱してください。
2.絶品 ぶりの照り焼き
ツヤのある見た目が食欲をそそる、ブリの照り焼きのレシピをご紹介します。脂ののった旨みたっぷりのブリに、甘くこってりとしたタレが相性抜群!家族から、ごはんのおかわりコールが鳴りやまなくなりますよ。パパッと短時間でできるので、忙しい日の晩ごはんにもぴったり。ぜひお試しくださいね。
材料(2人前)
- ブリ・・・2切れ
- 塩こしょう・・・小さじ1/4
- 薄力粉・・・小さじ1
- 料理酒・・・小さじ2
タレ
- しょうゆ・・・大さじ2
- 料理酒・・・大さじ2
- みりん・・・大さじ2
- きび砂糖・・・大さじ1
- ごま油・・・大さじ1
- 小ねぎ (小口切り)・・・適量
手順
1.ブリの両面に塩こしょうをふり、5分程置きます。キッチンペーパーで水気を拭き取り、薄力粉をまぶします。
2.中火で熱したフライパンにごま油をひき、1を入れて焼きます。中に火が通り、表面に焼き色がつくまで両面を2分ずつ焼いたら料理酒を入れて煮絡め、一度取り出します。
3.同じフライパンにタレの材料を入れて中火で煮立たせ、2を戻し入れ、全体に味がなじんだら火から下ろします。
4.お皿に盛り付け、小ねぎをのせて完成です。
3.にんじんと明太子の白和え
野菜の彩りがきれいな、にんじんと明太子の白和えはいかがでしょうか。使う調味料はシンプルですが、野菜の甘みや豆腐の旨みに明太子のピリッとした辛みと塩味がアクセントになって、抜群においしい白和えができますよ。晩ごはんのあと一品にはもちろん、お酒のおつまみにもぜひどうぞ。
材料(2人前)
- 木綿豆腐・・・100g
- にんじん・・・60g
- ほうれん草・・・50g
- お湯 (湯煎用)・・・適量
- 塩・・・適量
- 明太子・・・20g
- (A)薄口しょうゆ・・・小さじ1
- (A)みりん・・・小さじ1
手順
準備.にんじんは、皮を剥いておきます。 明太子は、薄皮から出してほぐしておきます。 みりんは、加熱を行いアルコールを飛ばし粗熱をとっておきます。
1.木綿豆腐は、キッチンペーパーで包み耐熱ボウルに入れラップをせずに、600Wの電子レンジで1分加熱し水切りをします。
2.にんじんは、細切りにします。耐熱ボウルに入れラップをかけ、600Wの電子レンジで1分ほど加熱します。
3.ほうれん草は、根を切り落とし3cm幅に切ります。鍋にお湯を沸騰させ、塩を入れほうれん草を1分茹で流水で洗い水気を切ります。
4.1のキッチンペーパーを取り、木綿豆腐を手でほぐし入れ、2、3、明太子、(A)を入れ混ぜ合わせます。
5.器に盛り付けたら完成です。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら加熱時間を調整してください。必要に応じて食材に完全に火が通るまで加熱してください。
みりんを上手に使い分けよう!
今回は本みりんとそのほかのみりんの違いについての解説と、みりんを使ったおすすめレシピをご紹介しました。料理にまろやかな甘みや照りをもたらしてくれるみりん。上手に使い分けられると、いつもの料理がもっとおいしくなりますよ!ご紹介したレシピも、ぜひ試してみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。