食材の鮮度や風味を保つ「真空パック」。日持ちもよく、開けてすぐに使えるのが便利ですよね。ところが、真空パックだから安全!と油断していると、かえって危ない目に遭う可能性もあることをご存じですか?この記事では、「真空パック食品」の注意点と、気をつけるべきポイントについて解説します。後半では余りがちな根菜類の使い切りレシピもご紹介しているので、ぜひ最後までご覧くださいね!
「真空パック」でも食中毒に要注意!? むしろ危険が高まることも!知っておきたい食の知識
真空パック食品が食中毒を引き起こすことも!?
真空パックのように食品を密封するかたちで保存していても、食中毒が発生することがあります。この原因となるのが「ボツリヌス菌」。このボツリヌス菌、常温で放置すると増殖し、ときには命にかかわる危険な食中毒を引き起こす可能性があるんです。
ボツリヌス菌は土壌や水などに広く存在する、熱に強い性質を持った菌です。この菌は、真空パックのような酸素がきわめて少ない状態の環境で増殖し、毒素を作ります。また、120℃4分間以上の加熱をしなければ、完全には死滅しないこともわかっています。
裏を返せば、120℃4分間以上加熱していれば、その食品にボツリヌス菌が繁殖している心配はない、ということですね。どうやらここが、真空パック製品を安全に保管するためのポイントになりそうです。
パッケージをよく見て判断することが大切!
「レトルトパウチ食品」といった表示があるものや市場に流通している大部分の缶詰は、 菌を死滅させるため、先ほどご説明した「120℃4分間以上」の加熱が行われています。そのため、常温での保存が可能となっているんですね。
しかし、なかにはまぎらわしい形態をした食品も流通しています。例えば、真空パックになっていても「要冷蔵」や「10℃以下で保存してください」などの表示がある場合、購入後速やかに冷蔵庫に入れて、期限内に食べ切る必要があります。
また、ボツリヌス菌が作りだす毒素は加熱によって毒性を失うため、食べる直前に十分な加熱を行うことも効果的です。
最近は、ご家庭で真空パック機を使って保存をすることもありますよね。その際には、清潔な作業台で作業すること、食材を十分に加熱すること、素手で食材をさわらないことなどに気を配り、衛生的な環境で菌をつけないように作業してくださいね。
鮮度やおいしさをキープできて便利な「真空パック」。ぜひ安全性に留意して、日々の献立にお役立てください!
根菜の使い切りレシピをご紹介!
ここからは、中途半端に余りがちな「根菜」を使った、使い切りレシピをご紹介します。ごぼうの甘酢炒めやオレンジジュースで作るキャロットラペ、焼肉をのせたボリューム満点の生姜大根ステーキなど、日々のおかずにぴったりなレシピをそろえました!ぜひチェックしてみてくださいね。
ごぼうの甘酢炒め
ごぼうのシャキシャキ食感がクセになる、甘酢炒めはいかがでしょうか?甘辛い味つけがごぼうによくなじんだ、ごはんのおかずにぴったりな一品です。ごま油や鷹の爪の風味も相まって、ついついお箸が止まらなくなるおいしさですよ。お酒のおつまみにもよく合うので、ぜひ試してみてくださいね。
材料(2人前)
- ごぼう (150g)・・・1本
- 水 (さらす用)・・・適量
- 片栗粉・・・大さじ2
- (A)みりん・・・大さじ1
- (A)酢・・・大さじ1
- (A)砂糖・・・大さじ1
- (A)しょうゆ・・・大さじ1
- (A)鷹の爪輪切り・・・小さじ1/4
- ごま油・・・大さじ2
- 白いりごま・・・適量
作り方
準備.ごぼうは皮をこそげ落としておきます。
1.ごぼうは5cm幅に切り、縦半分に切ります。
2.水に10分程さらします。
3.水気を切り、片栗粉をまんべんなくまぶします。
4.ボウルに(A)を入れて混ぜ合わせます。
5.中火で熱したフライパンにごま油をひき、3を入れて焼きます。
6.焼き色がついたら4を入れて中火のまま炒め合わせます。味がなじみ、ごぼうに火が通ったら火から下ろします。
7.お皿に盛り付け、白いりごまをかけて完成です。
大量消費 オレンジジュースでキャロットラペ
にんじんのおいしさをダイレクトに味わえる、キャロットラペのご紹介です。オレンジジュースで作る漬け込み調味料は、さっぱりとした甘さでにんじんと相性抜群!アーモンドの食感やレーズンの甘みが、ラペのおいしさを一層引き立ててくれます。にんじんは水気をよく絞っておくことで、味がしみやすくなりますよ。日々の副菜にいかがでしょうか?
材料(2人前)
- にんじん (計300g)・・・2本
- 塩 (塩もみ用)・・・小さじ1/3
- レーズン・・・20g
- アーモンド (素焼き)・・・15g
漬け込み調味料
- 100%オレンジジュース・・・100ml
- EVオリーブオイル・・・大さじ1
- レモン汁・・・大さじ1/2
- 塩・・・ふたつまみ
- 黒こしょう・・・ふたつまみ
- パセリ (生)・・・適量
作り方
準備.にんじんは皮を剥いておきます。 パセリはみじん切りにしておきます。
1.にんじんはヘタの部分と先端を切り落とし、細切りにします。ボウルに移し、塩を入れてよく混ぜ、10分程置きます。
2.アーモンドは包丁で粗く刻みます。
3.ボウルにEVオリーブオイル以外の漬け込み調味料の材料を入れます。EVオリーブオイルを3回に分けて入れ、都度よく混ぜ合わせます。
4.水気をよく絞った1、2、レーズンを入れ、よく混ぜ合わせます。ラップをかけて冷蔵庫で30分程置きます。
5.器に盛り付け、パセリを散らして出来上がりです。
焼肉のせでがっつり 生姜大根ステーキ
ジューシーな大根が主役!生姜香る大根のステーキはいかがでしょうか?旨みたっぷりの焼肉を、香ばしく焼いた大根にのせて、ボリューム満点に仕上げた一品です。白だしと生姜で風味豊かに味つけした大根に、焼肉のタレをからめたお肉が相性ぴったりですよ。大根は最初に電子レンジで加熱することで、調理時間をグッと短縮できます。
材料(2人前)
- 大根 (長さ12cm)・・・600g
- (A)白だし・・・大さじ2
- (A)すりおろし生姜・・・小さじ1
- ごま油・・・大さじ1
- 牛バラ肉 (切り落とし)・・・150g
- 焼肉のタレ・・・大さじ2
焼肉
- ごま油・・・小さじ1
- 小ねぎ (小口切り)・・・適量
作り方
準備.大根の皮はむいておきます。
1.大根は3cm幅に切ります。耐熱皿に並べラップをして、600Wの電子レンジで火が通るまで8分ほど加熱します。
2.フライパンにごま油をひいて中火で熱し、1を入れて焼きます。表面に焼き色がついたら(A)を加えて、汁気がなくなるまで全体に絡めながら焼き、火から下ろします。
3.別のフライパンにごま油をひいて中火で熱し、牛バラ肉を入れて炒めます。火が通ったら焼肉のタレを加え炒め合わせ、味がなじんだら火から下ろします。
4.お皿に2、3を盛り付け、小ねぎを散らして完成です。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら加熱時間を調整してください。必要に応じて食材に完全に火が通るまで加熱してください。
根菜をおいしく食べよう!
いかがでしたか?今回は知っておきたい真空パックにまつわる知識と、根菜の使い切りレシピをご紹介しました。根菜は日持ちするからこそ、つい冷蔵庫に余らせがちになってしまう食材です。今回ご紹介したレシピも参考にしながら、ぜひ根菜を上手に使い切ってみてくださいね!
※20歳未満の飲酒はやめましょう。