南国フルーツの「タマリンド」をご存知ですか。日本ではあまり馴染みのないフルーツですが、エスニック料理に使われることが多い食材です。この記事ではタマリンドの味や特徴、食べ方などを解説します。タマリンドが手に入らないときの代用品もご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
そら豆の形にそっくり「タマリンド」って何?味や特徴について解説!
- 目次
- タマリンドとは?
- タマリンドの種類
- マカーム・テー
- マカーム・ワーン
- タマリンドの味は?
- タマリンドの食べ方
- 生でそのまま食べる
- ドライフルーツ
タマリンドとは?
タマリンドとは、マメ科ジャケツイバラ亜科タマリンド属に属する熱帯アフリカ原産の植物です。木の高さは20~25mほどで、7~15cmくらいの大きなそら豆のような実をつけます。実をつけるまでにはおよそ6~10年の歳月がかかりますが、過酷な環境でも育つことができる強い植物です。
タマリンドの実はそら豆のさやのような薄い殻に包まれているのが特徴です。殻の中には種子があり、その周辺に果肉がついています。果肉は暗紫赤色をしていてねっとりとやわらかく、干し柿のような状態です。このタマリンドは東南アジアでは大変メジャーな植物で、タイやインドでは定番のフルーツとして親しまれています。
タマリンドの種類
タマリンドには甘いタイプと酸っぱいタイプがあります。それぞれの種類を見ていきましょう。
マカーム・テー
マカーム・テーはドーナツのように真ん中が空洞になった円形をしています。そら豆のようにぷっくりふくらんでいる部分とくびれている部分があるのが特徴です。色は鮮やかな赤色が混ざった緑色をしています。緑色が強いものは豆のような味わいと食感で、赤みがかったものは甘酸っぱいそうです。
マカーム・ワーン
マカーム・ワーンは大きな落花生のような見た目で、内側の果肉も茶褐色です。ワーンとはタイ語で「甘い」という意味。こちらは甘みが強いタイプのタマリンドで、スイートタマリンドとも呼ばれます。特有のコクと甘み、酸味があるのが特徴です。
タマリンドの味は?
タマリンドの果肉は甘酸っぱさと特有の風味が魅力。ねっとりとした甘さと酸味があり、濃厚で複雑な味わいです。この個性的なおいしさは、一度食べるとクセになってしまう人も少なくないとか。日本の食べ物に例えると、干し柿や甘酸っぱい梅干しに似ていると表現されることが多いようです。
タマリンドの食べ方
タマリンドは生やドライフルーツで食べるほか、ペーストにして調味料にしたり、ジュースやお菓子などに加工して食べられています。代表的な食べ方をいくつか見ていきましょう。
生でそのまま食べる
タイなどではタマリンドをそのまま食べます。甘いタイプの新鮮なタマリンドが手に入ったら、皮をむいて果肉の部分を種を出しながら食べるのが定番です。生のものは干し柿のようにしっとりとしていて、濃厚な甘酸っぱさを楽しめます。ただし、検疫の問題で日本国内には生での輸入はされてません。
ドライフルーツ
タマリンドの果肉部分を干したドライフルーツも人気があります。種が入っているものと取り除かれているものがあるので、確認してから購入するとよいでしょう。タマリンドのドライフルーツは、ドライプルーンや干しあんずと似た食感と言われています。濃厚な甘酸っぱさがおいしいと評判です。
ジュース
タマリンドジュースはタイでは定番のジュースです。タマリンドペーストに水と砂糖を加えて手作りしたり、市販のものを購入したりできます。甘さの中にほんのりとした酸味があり、爽やかなおいしさです。そのまま飲むのはもちろん、炭酸水で割って飲むのもおいしいですよ。
お菓子
タマリンドはさまざまなお菓子にも活用されています。タイのお土産の定番なのが、バナナ&タマリンドジャム。バナナチップスにタマリンドの甘酸っぱいジャムを挟んだお菓子です。そのほかキャンディやガムなどもあります。日本でも輸入食品を扱うスーパーやオンラインショップなどで購入可能です。
ペースト
日本でも手に入りやすいのがタマリンドペースト。タマリンドペーストはタマリンドの果肉をペースト状にしたもので、繊維や種子を取り除いてあるためそのまま調味料として使うことができます。甘酸っぱく特有の風味とコクをプラスできるので、カレーやスープなどに隠し味として加えることが多い調味料です。タイの焼きそばであるパッタイやインドのスープであるラッサムには欠かせません。日本のウスターソースにもタマリンドペーストが入っているそうですよ。粘り気があるので、料理のとろみ付けに使うことも。日本でも一部のお店やネット通販などでタマリンドペーストを購入できます。
タマリンドの代用品は?
レシピにタマリンドと載っているけれど、手に入らない場合はどうしたらよいでしょうか?ペーストやジャムも購入できない場合は、味わいの似たほかの食材で代用することができます。おすすめの代用品をいくつかご紹介します。
梅干し
梅干しはたいへん優れた代用品です。梅干しの酸味がタマリンドの酸味とよく似ています。カリカリタイプの梅干しではなく、ねっとりとやわらかいものがおすすめ。はちみつ梅のような甘いものもあれば塩味の強いものもあるので、料理によって使い分けるとよいでしょう。また、梅干しではなく練り梅を使うこともできます。
レモン汁
レモン汁もタマリンドの代わりに使うことができます。タマリンドと同じようにフルーティーで酸味があるので、料理に酸味を加えたいときに使うとよいでしょう。
ライム
すっきりした酸味が特徴の緑色のライムも代用品になります。ただし、ライムは多少苦味や青臭さがあり、風味が多少異なることを覚えておきましょう。
タマリンドを使って本格的なエスニック料理を楽しもう
いかがでしたか?南国フルーツであるタマリンドの味や特徴、食べ方に加え、タマリンドがないときの代用品などについて解説しました。タマリンドを使うことでカレーやスープなどをより深みのある味わいに仕上げることができます。日本でもペーストタイプのタマリンドなどは手に入りやすいので、活用してみるのはいかがでしょうか?ぜひタマリンドを使って、ひと味違うエスニック料理を楽しんでみてくださいね。