2024.9.25

韓国のお菓子「薬菓(ヤックァ)」とは?気になる味や材料、由来についても解説!

韓国のお菓子「薬菓(ヤックァ)」とは?気になる味や材料、由来についても解説!

韓国の伝統菓子「薬菓(ヤックァ)」を知っていますか?かわいらしい見た目でSNSなどでも話題となっていて、日本でも薬菓を買えるお店が増えているんですよ。この記事では、薬菓の味や材料、食べ方のアレンジなどを解説します。記事の後半では、薬菓以外の韓国の伝統菓子についてもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。

  • 目次
  • 薬菓(ヤックァ)とは?
  • 薬菓の歴史や名前の由来
  • 伝統菓子が注目されたきっかけ
  • 薬菓(ヤックァ)ってどんな味?
  • 薬菓の味や食感
  • 薬菓の基本的な材料
  • 薬菓の食べ方のアレンジ方法
  • 薬菓以外の伝統菓子とは?

薬菓(ヤックァ)とは?

ハングルでは「약과」と表記される「薬菓(ヤックァ)」とは、小麦粉とごま油、はちみつ、酒などを混ぜて作った生地を油で揚げ、甘い蜜に浸した韓国の伝統菓子です。

大きさや形に決まりはありませんが、サイズによって大薬菓、中薬菓、小薬菓に分けられます。また、生地を四角く切り分けて揚げたものは「角薬菓」、茶食板(タシクバン)と呼ばれる木型に入れて成型してから揚げたものは茶食菓(タシックァ)と言うそうです。最近では花の形に成型されているものが多く、見た目がかわいらしいことからSNSなどでも話題になっているんですよ!

薬菓の歴史や名前の由来

薬菓を含む韓国の伝統菓子は、もともとは宮廷の儀式でお供えするためのものでした。高麗時代、韓国は仏教が国教だったため、肉食の習慣がありませんでした。その代わり穀物の栽培が盛んだったこと、また、中国から伝わった喫茶の習慣が広まったことから、上流階級の間でさまざまなお菓子が食べられるようになったといわれています。そして、そのうちの一つに薬菓が含まれているのです。

一般的には上記の通り「薬菓」と書かれますが「薬果」と書かれることもあります。これは薬菓がもともと果物をかたどって作られていたためなのだとか。栗や梨、なつめの形に作られていた薬菓ですが、高く積み上げる必要のあるお供え物には不向きな形だったため、平らな形のものに変わっていったようです。

薬菓という名前の由来には諸説ありますが、韓国で古くから健康によいと考えられてきたはちみつやごま油を材料に使っていることから「薬」という字を使った名前になったのだとか。また、韓国でははちみつのことを薬と呼んでいたこともあったので、薬菓という名前になったともいわれています。

伝統菓子が注目されたきっかけ

なぜ今になって伝統菓子である薬菓に注目が集まったのでしょうか。それにはいくつかの理由があるようです。

まずは動画クリエイターが動画サイトで紹介したという理由があります。そして、数年前から韓国ではレトロブーム。昔の服を取り入れたファッションが流行っていたり、おばあちゃんたちが食べていたレトロな食べ物が注目されるようになりました。これをきっかけに薬菓を含む伝統菓子がトレンドになったようです。

現在はそんな伝統菓子を現代風にアレンジしたスイーツも登場しており、アイスやクッキー、チョコレートなどと組み合わせたものや見た目もおしゃれで高級志向な薬菓も人気を集めています。日本でも薬菓を取り扱うお店が少しずつ増えてきているようなので、もし見かけたらぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか。

薬菓(ヤックァ)ってどんな味?

ここまで薬菓の由来などについて触れてきましたが、ここでは一番気になる薬菓の味や食感、材料、食べ方のアレンジについて解説します。

薬菓の味や食感

先ほども少しご説明しましたが、薬菓は小麦粉で作った生地を油で揚げ、甘い蜜に浸したお菓子です。しっとりとした食感と、噛むと蜜が染み出すような甘さが特徴で、ドーナツやチュロス、沖縄のサーターアンダギーに似ていると感じる人もいます。シナモン生姜を使ったものも多く、スパイシーな香りがほんのりと感じられるのも魅力です。

お店によっては、ナツメや生姜で作った餡を包んだ餃子(マンドゥ)型の薬菓もあるようです。

薬菓の基本的な材料

薬菓の材料はお店によっても異なりますが、基本的には小麦粉はちみつごま油などで生地を作ります。生地は層を作るように、数回重ねて伸ばすを繰り返すのがポイントです。成型した生地を油で揚げたら、砂糖と水を煮詰めて作ったシロップや水あめ、はちみつなどで作るシロップに浸します。香りや風味をつけたい場合は生地や蜜にシナモンや生姜などを加えるようです。

薬菓の食べ方のアレンジ方法

薬菓のサイズは、コンビニなどでも手軽に買えるようなミニサイズのものや個包装されたもののほか、切り分けて食べるような大きなサイズのものまでさまざまです。

カフェやお菓子屋さんでは、クッキーと薬菓を融合させたお菓子や、かき氷やパンケーキ、アイスのトッピングに薬菓を使ったメニューもあります。

また、食べ物ではありませんが、花の形の薬菓をモチーフとしたかわいらしいアイシャドウパレットを発売している韓国コスメブランドもあるんですよ。

薬菓以外の伝統菓子とは?

薬菓以外の韓国の伝統菓子も見てみましょう!韓国の伝統菓子は、基本的には米や小麦粉、きな粉などを主体とし、蜜や木の実、果物、根菜などを組み合わせたものが多くあります。また、西洋菓子と区別するために「韓菓(ハングァ)」と呼ばれることもあるようです。以下で、韓国の伝統菓子をいくつかご紹介します。

ソンピョン

ソンピョンは漢字で書くと「松餅」、ハングルだと「송편」となり、秋夕(チュソッ)という韓国の旧盆で食べられる定番のお餅です。米粉で作ったお餅の中に豆やごま、栗などを使った餡を詰めて蒸します。蒸すときに松葉を敷いて蒸すことが「ソンピョン(松餅)」という名前の由来で、餅に松葉の香りと模様がつくのも特徴です。

韓国では、秋夕の前後3日間が休日となっていて、帰省してお墓参りに行く人が多いのだとか。そのとき、各家庭でソンピョンをたくさん作って食べるという習慣があるのだそうです。

ペクソルギ

ペクソルギ(白雪糕、백설기)は、うるち米の粉に塩や砂糖を加え、型に入れて蒸した餅です。真っ白な餅から純粋な様子が連想されるので、子どもが純粋に健康に育つよう、生まれて100日目や1歳の誕生日のお祝いに、親戚や近所の人に配る風習があります。

インジョルミ

インジョルミは、もち米などで作った餅のことで、漢字では「引切米」ハングルでは「인절미」と表します。餅は四角や俵型に切ってあり、大豆や小豆の粉や黒ごまをまぶして食べるのが一般的なようです。餅にまぶすものや練りこむものによって呼び名が変わり、ごまをかけると「ケインジョルミ」、小豆をかけると「パッインジョルミ」、きな粉をかけると「コンインジョルミ」、餅によもぎを練りこむと「スッインジョルミ」、餅で餡を包むと「アングムインジョルミ」となります。

インジョルミの粘りのある食感から、夫婦が仲良く暮らせるようにという願いを込めて、結婚のお祝いのお菓子としても使われるそうです。

ケヨッカンジョン

ケヨッカンジョン(깨엿강정)とは、黒ごまやエゴマ、大豆、松の実などを炒ってから水飴やはちみつを絡め、押し固めた韓国風の「おこし」。サクサクとした歯ごたえが魅力で、日常的なおやつとしてだけでなく、秋月や旧正月といった行事用のお菓子としても親しまれています。

かわいくておいしい!薬菓を食べてみよう

今回は、薬菓の特徴や食べ方のアレンジについて解説し、韓国の伝統的なお菓子をご紹介しました。昔ながらの素朴な味わいの薬菓ですが、アイスやパンケーキなど、洋風の食べ物とも相性がよく、さまざまな楽しみ方があります。日本でも手に入れることができるので、見かけたらぜひ味わってみてくださいね。

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