メロンの元祖とも呼ばれる伝統野菜「マクワウリ」。かつては日本でも日常的に親しまれていましたが時代の変化と共に見かけることも少なくなりました。しかし、韓国では夏の定番フルーツとして親しまれており、また日本でも注目され始めています。今回は、そんなマクワウリの特徴のほか、旬の時期や味、食べ方などについて解説します。
メロンの仲間「マクワウリ」ってどんな野菜?味やおすすめの食べ方について解説!
- 目次
- マクワウリとは
- 韓国では夏に食べられる定番フルーツ
- マクワウリの種類
- 黄金まくわうり
- なりくらまくわ
- タイガーメロン
- マクワウリの選び方と保存方法
- ふっくらとした俵型で、ハリがある
マクワウリとは
「マクワウリ」とは、ウリ科キュウリ属に属する野菜のこと。分類上は野菜ですが、果物と同じように食べられることからいちごやメロンなどと同じ「果実的野菜」として扱われることもあります。
そんなマクワウリの歴史は古く、その起源は2000年以上も前なのだとか。日本でも、縄文人の生活の痕跡が残された遺跡からマクワウリの種が出土したり、奈良時代に編纂された書物「古事記」や「万葉集」などにマクワウリを意味するウリの名が記されており、これらの時代のころには原産地であるアジア地方から渡来していたと考えられています。
現在の主な産地は、岐阜県や愛知県、滋賀県などで、旬は7、8月ごろ。「マクワウリ」という名前は、特産地として知られた岐阜県「真桑村(まくわむら)」(現本巣市)に由来して名づけられたのだそうです。
昭和初期のころまでは、日常的に食べられていました。また、お盆のお供えものに使うなど夏の風物詩として親しまれていましたが、マクワウリと西洋系メロンの交配種である「プリンスメロン」が登場したのをきっかけに、生産が激減します。
現在はなかなか近所のスーパーなどで見かける機会が少なくなっているものの、後世に残すべき伝統野菜のひとつとして、今なお大切に育てられています。
韓国では夏に食べられる定番フルーツ
前述の通り、日本のスーパーではなかなか見かけることができないマクワウリですが、韓国では「チャメ」と呼ばれ、夏の定番フルーツとして親しまれています。
チャメはマクワウリの変種で、日本のマクワウリよりも糖度が高くジューシー!夏を代表するフルーツといえばスイカを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、韓国ではそんなスイカと同じくらい人気があるのだそうです。
夏になると日本でも、韓国食材専門店やネット通販などで購入できるようなので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
マクワウリの種類
ひとくくりに「マクワウリ」といっても種類はさまざま!ここでは3つご紹介します。
黄金まくわうり
数あるマクワウリの中でも代表格ともいえる品種が「黄金まくわうり」です。果皮は鮮やかな黄色で、果肉は白。大きさは約300グラムほどで、俵のような形をしています。酸味は少なくさっぱりとした上品な甘さと香りが特徴で、みずみずしくもシャキッと心地よい歯ごたえを楽しむことができます。
なりくらまくわ
滋賀県で古くから栽培されてきた品種の「なりくらまくわ」。野球ボールくらいの大きさで、薄い緑色の果皮に縦縞が入っています。香りはメロンに似ていて、食感はすいかのようにみずみずしいのが特徴です。甘味は強めですが、後味はさっぱり!未熟なものはシャキシャキとした食感で、熟したものはやわらかく洋梨のような食感になるといわれています。
タイガーメロン
スイカのような見た目が印象的な「タイガーメロン」は、マクワウリの一種と西洋メロンを交配して生まれた品種です。こちらもほんのりとメロンの香りがして、味わいもメロンに近いといわれています。果肉はやわらかめでありながらも歯切れはよく、ジューシーでさっぱりとした甘さを楽しめるのが魅力です。
マクワウリの選び方と保存方法
新鮮でおいしいマクワウリを選ぶポイントは、以下の2つです。
ふっくらとした俵型で、ハリがある
大きすぎず小さすぎずふっくらとした俵型で、ハリのあるマクワウリは良品です。「花落ち部」と呼ばれるお尻の部分が平らなものだとなおよいでしょう。全体を見回して、褐色に変化していないかどうかも併せてチェックしてくださいね。
ずっしり重い
果汁が豊富なマクワウリは、手に持ったときにずっしりとした重みがあります。同じぐらいの大きさなら、より重いものを選びましょう。
ちなみに、マクワウリには収穫後に果肉が熟し、甘みが増していく「追熟」という性質があります。果肉が固いものは追熟が必要なので常温保存、甘い香りがたってきたら追熟が進まないよう冷蔵庫で保存するなど熟度によって保存方法を変えるようにしましょう。
マクワウリのおいしい食べ方
マクワウリは、ほどよい甘みとみずみずしさが魅力!おうちで食べるときは、メロンのように切り分けてそのままいただくだけでなく、うまく果肉をくり抜き、黄色の果皮を活かして器として使うのもおすすめです。
さらに、ひと手間加えてそのままいただくだけでなく、ジュースやマリネ、サラダなど、意外にも幅広い料理に活用できます。濃い味わいのものとの相性もよいので、漬物や煮物などに加えてもおいしく食べられますよ。ぜひ試してみてくださいね。
マクワウリで懐かしの味を堪能しよう
いかがでしたか?今回は、マクワウリの特徴や旬の時期、味、食べ方などをご紹介しました。 さっぱりとした甘みと、さっくり心地よい食感を楽しめるマクワウリ。そのまま食べるのはもちろん、ジュースやスムージー、サラダなどアレンジもさまざま! 見かけたらぜひ手に取って、懐かしの味わいを楽しんでみてくださいね。